海辺の殺人者
(Fathers & Sons)
<製作> 1992年 (米) 101分
<監督> ポール・モネス
<出演> ジェフ・ゴールドブラム・・・マックス
ロザンナ・アークエット・・・アシーナ
ロリー・コクラン・・・エディ
サミュエル・L・ジャクソン・・・マーシャル
<ストーリー>
 妻を亡くし、高校生の息子と2人暮らしをしている元映画監督マックス(ジェフ)。かつて愛する妻に暴力をふるってしまった事がトラウマとなって、罪の意識にさいなまれながらも、成すすべもなく苛立ちの日々を送っていた。多感な年頃になった息子エディとの関係も、近頃はしっくりといかない。そんなある日、マックスは海辺で謎めいた占い師アシーナ(ロザンナ・アークエット)に出会う。折りしも、町では連続殺人事件とチンピラの抗争が同時に発生し、やがてエディが巻き込まれてしまう・・・。

<感想>

 原題と全く違った邦題が付けられる事はしばしはありますが、作品イメージとタイトルが上手くマッチしているものもあれば、イマイチなものまで様々です。前者で言えば、83年のジェフ出演作「再会の時」。原題は「The Big Chill」。「chill」とは「冷たい」とか「冷淡な」と言う語意で、つまり”体が凍りつくような思い(ぞっとする感じ)”という意味合いのタイトルですが、邦題の「再会の時」も郷愁と変化を感じさせ、作品の主題にピッタリのタイトルだと思います。反対に、後者の典型といえる作品が、本作でした。
 「海辺の殺人者」・・・。このタイトルから浮かんでくるテーマはやはり”殺人”。当然ジャンルはミステリーかサスペンスだと思っちゃいますよね。しかも、ビデオジャケットには「殺意、謎、父子の対立・・・。それぞれが交錯するサスペンス・ドラマ!」とキャッチ・コピーまでついているのですから、尚更です。でも、実際は「Fathers & Sons」という原題通り、父と息子の心の葛藤をリアルに描いたヒューマン・ドラマでした。(誰がどういった意図で「海辺の殺人者」なんてつけたんでしょうね???)
 今回
ジェフが演じるのは、過去の負い目から抜け出せず、愛しているのに上手く息子と接することが出来ない、悩める父親役。「ロスト・ワールド」や「ハイダウェイ」のヒーロー的な父親とはまた違って、決してカッコよくはない生身で等身大の父親を、とても誠実に演じています。特にラストシーンがいいですね。親子っていいなぁって、ジーンとしてしまいました☆
 そうそう、余談ですが、この頃の
ジェフはちょっとだけ太ってます(笑)。とは言っても、いつもより恰幅がいいなぁっていう程度ですが・・・。あ、顔もちょっと丸めかな(笑)。これはあくまでも私の推測ですが、多分同時期に撮影があった「ディープ・カバー」の役作りの為だったんじゃないでしょうか。ハリウッドでは役柄の為に体型を変えるのはよくある事ですもんね。(日本の役者さんとは気合の入れ方が違いますねぇ)故に、いつもよりも増してジェフがでっかくでっかく見えたのでした(笑)。

<オススメ度> ・・・「3」

 邦題と内容にギャップがある為、サスペンスだと思って見るとちょっと肩透かしを食らってしまうかもしれません。でも、父と子の関係を描いたドラマとしては、なかなか見ごたえある作品でした。ただ、アメリカでも未公開のこの映画、日本でもビデオリリースされているとは言え、本数はかなり少なそう・・・。関東近辺では渋谷のTSUTAYAで在庫を確認していますが、私の知る限り、あとはジェフ量販店である横浜のビデオショップ淳ぐらいです。残念ながら、かなりのレア物みたいですね。





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