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☆図書館にでも行きましょうか。☆
☆図書館にでも行きましょうか。☆


 万年金欠な小手鞠萌はよく図書館に行く訳ですが、そこでよく借りる本の中でも、面白かったり資料としてなかなか良い物を紹介するコーナーです(安上がり)。
 因みに基本は“十九世紀”。本物のメイドさんが生きていた時代っすね。でも読んでいる本、かなり偏りあり過ぎです。しかも実はあんまり小説読まない事、バレバレ。大層なもんでは無いけれど、ある意味“裏ヴィクトリアン・ガイド”かも(^_^;)。


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資料をまとめてみました。
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第九十五回(2006.03.26現在)
川北稔『洒落者たちのイギリス史 騎士の国から紳士の国へ』平凡社
 “舶来品”をキーワードに、中世まではヨーロッパ諸国に対して従属的な地位にあったイギリスが、如何にして工業化への道に至ったかを、ファッションの歴史から紐解き論じた書籍。
 『エマ ヴィクトリアンガイド』の参考文献の一つで、題名からファッション関係の歴史の書籍か何かだと勘違いして後回しにしていたもの。中身は流行をテーマにした、経済史論的なものでした。かなりマニアックかつお堅く作られているので、理解するまで何度か読み返しておくとよいです。メイドさん情報も、使用人全体として語られています。
………………
 ロンドンでは、有名な古着屋街はロンドン塔に近いローズマリ小路、アガサ・クリスティ推理小説のタイトルにもなっているセヴン・ダイアルズのモンマス通り、いまでも古着や端切れ、古物の市が立つペティコート小路――リヴァプール・ストリート駅の隣――などにあった。そのほか、ともに金融・証券業界の中心として知られるロンバード街とコーンヒル通りを結ぶバーチン小路やローマ時代の市壁の一部、ものみの塔(バービカン)のあったあたりのロング小路なども、早くから知られた古着屋兼質屋街である。こういうところで扱われた古着は、行商人が合法的に買い集めたものもあったが、使用人がごまかした主人の衣服や、完全な盗品も多かったらしい。たとえば、デフォーの小説『モル・フランダース』(一七二二年)の女主人公モルが盗んだ絹やビーズ、ダイヤモンドの処分を引き受けた女将は、「質屋」を自称していたし、その質屋は古着屋ブローカーと区別がつかなかったからである。(『T ファッションは法よりも強し――贅沢禁止法の時代――』の『7 贅沢の洪水をよぶ贅沢禁止法』の中の『古着屋の発達』より)
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 使用人を見たら泥棒と思えという事ですかね。

フィリップ・マクドナルド、白須清美/訳、森英俊/解説『フライアーズ・パードン館の謎』原書房
 富豪の女流作家、イーニッド・レスター=グリーンの住むフライアーズ・パードン館では、不可解な出来事が続いていた。いつの間にか置物の位置が変わっていたり、不審な音が響いたりと、住人達の不安は募っていった。そうした中で事件は起こった。イーニッドが施錠された部屋の中で溺死しているのが見つかったのだ。所が床は乾いており、部屋には水の入った花瓶さえ無かった。更に数分前には助けを求める悲鳴をあげていたという。魅惑的な謎で魅了する英国黄金期の傑作推理小説。
 前回に引き続き、二十世紀初頭に活躍した推理小説家フィリップ・マクドナルドの小説です。実は東京新聞で紹介されていたので借りた次第(前回は偶々同作家の作品が先に見つかったので先に紹介しました)。こちらは結構大きなお屋敷の話らしく、使用人が何人も登場します。新聞では個性的な執事やメイドさんが登場すると紹介されていましたが、それ程個性的な感じには思えませんでした(漫画の見過ぎ)。って言うか、もう少しメイドさんとか使用人を動かした方が面白かったと思います。しかし……この作家さんって、メイドさんを冷遇している気がする……。

ローレンス・ライト、高島平吾/訳『風呂トイレ賛歌』晶文社
 人類に最も愛されながら、最も隠蔽されてきた空間――そこに注ぎ込まれた崇高な情熱と天馬空を行くが如き想像力を、ここに蘇らせる。膨大な資料を駆使して語る、ついぞ語られる事の無かった文化史。
 風呂とトイレなどの水回り関係の歴史を紹介した書籍。古代ギリシアから始まって現代に至るまでの水回りの歴史を分かり易く紹介しています。
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 第一次大戦後間もなく、膨大な数の「ほうろうびきサニタリー用品」(主には浴槽と洗面盤)がつくられていた。一九二一年から二年間のアメリカでの生産高は、二四〇万個から四八〇万個へと上昇。イギリスでも同様の増加ぶりを示す。だが、これら何百万という新しい浴槽は、ぜんぶがぜんぶ、当時のカタログにえがかれていたような浴室に、その場を得たわけではない。新しい酒が盛られるのは、たいてい古い革袋。イギリスの中産階級の家屋は、たぶん築後三〇年といったところが平均だったろう。一九二〇年代に入る前のこの時代に、浴室がいかにも浴室らしくつくられていた家などほとんどなかった。もう少し上等の、一八六〇年ごろに建てられた標準的なロンドンのテラス・ハウスは、何千戸というものがおよそ変わりばえのしない、同じような間取り。それぞれ四階建てか五階建てだったけれど、重要な部屋といえばわずか二つにすぎなかった。それらは、増大する新興の中産階級ミドル上流中産階級アッパー・ミドルの家族向け――召使いが少なくともひとりいて、ベルが鳴るたびに豪奢な吹きぬけ階段を昇り降りし、石炭のバケツや水を入れた缶や料理のトレイをはこんでいた。一八五〇年、家事労働者たちがロンドン最大の「職能団体」を結成する。「一般家事従業員」の数一二一、〇〇〇人。この数より総人口が多い都市は、イングランドでわずか六つだった。彼らのうち、ゆうに半数以上が二五歳以下だったろう。ハウスメイドたちは、まるで灯台守りのような苦労を強いられた。地下室は暗く、ほとんど「法令の意味する範囲内での住居可能な部屋」にはあたらない。そしてタンクがシュッシュッボコボコと音をたてる。ばかげた設計だった――スペースじゅうぶんにあったとしても、構成が悪いのだ。そういう家は、家族の住まいとして設計されたにもかかわらず、その役割りをはたすのはごく短期間。一世代、よくて二世代が住むうちに、どこか故障が出てくる。一九一八年、ハウスメイドたちは軍需工場へはたらきに出た。仕事も楽なら、給料も悪くない。そしてふたたび、奉公先へは戻ってこなかった。遅かれ早かれ、邸宅は解体して「メゾネット」化する。すなわち一種のフラットか、あるいはそれぞれに家具をそなえた数室へと。それらの住人が、階段をこっそり昇って浴室へ行き、ドアをがたがたゆすってみるけれど、そこは鍵がかかったまま。そんな家並みが、もはや使われることのない古典的なポーチコ(玄関)をへその緒のようにくっつけて、てんでんばらばらの、いわば個人ホテルへかえられていったのだ。(『第18章 マイ・スウィート・ホーム・タブ』の『*邸宅の解体』より)
………………
 メイドさんのお仕事は大変です。


第九十四回(2006.03.19現在)
リチャード・B・シュウォーツ/著、玉井東助+江藤秀一/訳『十八世紀 ロンドンの日常生活』研究社出版
 今日の生活史のなにがしかの成果と、ロンドンという都市に対するジョンソン博士の見解の一部を提供しようという目論みで書かれた書籍。
 十八世紀のイギリスの都市ロンドンの生活がどの様なものかを紹介した書籍。十八世紀ロンドンと言えば英語辞典を執筆したサミュエル・ジョンソンと言う訳で、博士の目から見たという設定の元でロンドン生活の様々な部分を紹介しています。何気にメイドさんネタも幾つか紹介されています。

鹿島茂『明日は舞踏会』作品社
 叢深い田舎で地平線の彼方に輝くパリに憧れた乙女が何かのきっかけでパリに上り、誰か親切なアドヴァイザーの助けを借りて魅力的なパリジェンヌに変身して舞踏会に華々しくデビューし、やがて大富豪の美青年と灼熱の恋に落ちる……という様な、紋切り型といえば紋切り型だが、若い娘なら誰もが憧れて止まないラヴ・ストーリーを軸にして、『馬車が買いたい!』と同じ方法で十九世紀の小説や風俗観察から細部を補強した書籍。
 第七十三回で紹介した同作者の『馬車が買いたい!』の女性版。これを書くきっかけと言うのが、女子大の講義で『馬車が買いたい!』を参考図書に指定して『タイム・マシンで十九世紀のパリに旅をして、一年間生活してきた報告書を書きなさい。一年間の生活費は、少し贅沢が出来る様に三千フラン(約三百万円)あげますから、何にお金を使ったか家計簿をしっかり付ける事』というレポートを提出させた事だそうです。十九世紀フランスの上流階級の若い娘がどの様な生活をしていたのかがよく分かります。

フィリップ・マクドナルド、田村義進/訳『迷路』ハヤカワ・ミステリ
 事件の状況は、まるで小説の様だった。現場はロンドン郊外の高級住宅地、著名な実業家が自宅の書斎で殺害されたのだ。警察の捜査の結果、外部からの侵入は不可能。従って犯人は当夜屋敷の滞在していた十人の男女の中にいる事になる。被害者の家族、友人達、そして使用人。だが、早速開始された検死審問では、彼等の意外な動機が次々と明らかになり、真相の究明は却って袋小路に入り込んでしまう。苦悩するロンドン警視庁は、名探偵ゲスリン大佐に泣きついた。休暇中のゲスリンが、証言記録だけを元に推理した、事件の驚くべき真相とは……全篇が書簡と証言記録だけで構成され、読者は探偵と全く同じ情報を与えられる。論理的に推理をすれば真犯人に到達出来る筈だ――読者に真っ向からフェアプレイの勝負を挑む、黄金時代の名作登場。
 1930年代の推理小説。上記の通り使用人が何人も登場しますが、執事、その妻である賄い婦兼家政婦(コック兼ハウスキーパー?)、美しいフランス人小間使い(レディス・メイド?)、醜い台所の下働き(キッチン・メイド兼スカラリー・メイド?)と、この当時のロンドンの高級住宅地としてはなかなかの数を雇っている様です。


第九十三回(2006.03.05現在)
飯塚信雄『ファッション史探険』新潮選書
 ファッションを、服飾だけでなく、生活習慣一般や芸術・学問の分野にもわたる幅広い社会現象として捉える生活文化史の立場から、特に服飾史の世界に触れた書籍。
 ファッションに関する様々な雑学的知識を紹介した書籍。中世から近代に掛けて洗練されていったファッションの数々の歴史に触れる事が出来ます。エプロンの項目では、バースで起こったあの事件が紹介されています。
………………
 十八世紀は、パニエというフープのスカートが流行した時代である。静かに立っている限りは、そのパニエが女性の下半身をスッポリとかくしてくれる。だが、動きをともなうときには、パンツが必要になる場合もあった。例えば、女中さんが窓をふくとき。しかし、その女中さんさえ、窓をふくとき以外には、パンツを着用しないのがふつうだった。(『8 パンティー』より)
………………
 確かに下履きを穿く習慣が広まったのは十九世紀末から二十世紀初頭頃なのですが……それにしたって、ねぇ。

井上洋子、古賀邦子、富永桂子、星乃治彦、松田昌子『ジェンダーの西洋史』法律文化社
 自発的なフェミニズム運動が始まる十八世紀のフランス革命期から始め、矛盾やパラドックスを歴史分析に入れる事により、革命が女性そして男性にとってどういうものでったかがより明らかになり、歴史認識を深めていく物と考え、女性参政権獲得運動や社会主義国の女性組織等を見ていく時、『男性支配の構造に反対する』事を掲げるフェミニズムが、同時に女性間での階級、人種、セクシュアリティ(性文化)、民族、政治、宗教、社会経済的地位などの多様な関係の中でせめぎ合う諸相をも捉えた書籍。
 近代西洋に於ける女性史の歴程を分かり易く紹介した書籍。メイドさんに関する情報は少しですが、目を通しておくと良いと想います。

N.E.ゲンジ、安原和見/訳『犯罪現場は語る 完全科学捜査マニュアル』河出書房新社
 最先端の操作技術が目に見えない真実を暴き、事件という大きなパズルを解いてゆく。科学捜査の最前線を、全世界の豊富な実例に基づき詳細に解き明かした決定版。
 単なる趣味で借りてきた、アメリカに於ける科学捜査の実例を紹介した本なのですが、ヴィクトリア時代のネタを発見したので、ここで紹介します。
………………
 アン・ペリーの歴史ミステリは時代考証がしっかりしていて、ヴィクトリア朝時代の暮らしが細かいところまできちんと描かれている。たとえばローズミルク(おしゃれに気をつかう貴婦人が寝る前に使った乳液)の調合法とか、リネン類の焼け焦げをとる絶対確実な方法とか。そして『アッシュワース館』(Ashworth Hall)という作品では、泊まりがけの週末パーティで招待客たちが次々に殺されていき、とうとう社会的に容認される検死解剖の方法まで紹介されることになった。

●まず、遺体を氷室に保管する。そこは、「鉤から屠体がぶらさがり……盆には臓物が置かれ、別の鉤には長いソーセージが何本か輪にして引っかけてある」という場所だ。
●次に、被害者の息子に遺体の解剖を依頼する。ちなみにこの息子、たまたま医学生だったというだけで、まだ医師の資格すらもっていない。
●遺体は洗濯かごに押しこんで、氷室から簡単に運び出せるようにしておく。解剖は洗濯室で真夜中におこなう。解剖台がわりのアイロン台に遺体がのっているのを見たら、召使たちが恐ろしがって大騒ぎになるから。
●ヴィクトリア朝時代の屋敷にはなんでもそろっているが、残念ながら医療器具だけはないということもある。そんなときに頼りになるのが料理人の包丁だ。よく研いであるはずだから、それでりっぱに代用できる。

 まったくもってこっけい千万に聞こえるだろう――ただ、これはけっしてありえない話ではない。一八二三年にロンドンの法廷で審理された事件では、「故人の検死解剖」をおこなったのは「非常に腕のよい肉はがし人(肉屋ともいう)」だった。「親切にも故人の夫の求めに応じて、自然死とその場で判断した」という。「その場」とはここでは肉屋の作業台のことである。
 夫が妻の死を当局に届け出たときは、遺体はとっくに埋葬されたあとだった。
 親切な肉屋は供述をとられることも、証人として出廷することもなかった。法廷は、夫の電文による証言をあっさり証拠と認めたのである。(『第3章 現場捜査:遺体』の『ミステリからひもとく歴史上の検死解剖』より)
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 実は、アン・ペリーを知ったのはこの本のこのコラムだったりします。もっとアン・ペリーの小説を邦訳して欲しいものです。


第九十二回(2006.02.26現在)
小林章夫『パブ 大英帝国の社交場』講談社現代新書
 作家がいる、貴族がいる。労働者、商人がいる。傾けたグラスから、政治が経済が、文化が生まれていく。全土にひしめいた民衆社交場から、大英帝国の400年を読む。
 イギリスに欠かせないパブという存在。その歴史と魅力を余す事無く紹介した書籍。今でも民衆の娯楽の場であるパブが如何にイギリス人にとって必要不可欠であるかが分かります。
………………
 (中略)こうしたインやタヴァンがまともな職業あっせん所としても大いに役立っていた事実は、なんといっても否定できない。とくに一七、一八世紀には、大家に奉公する召使いが一般庶民の職業としてかなり人気があり、そうした人材の手っとりばやい見つけ先として、パブは欠くことのできない場所だったのである。(『第五章 激動する時代の中で――パブの歴史U 一八世紀』の『パブで職を探す』より)
………………
 田舎からやってきたメイドさん候補生はパブで情報交換していたのでしょうね。

フロラ・トリスタン/著、小杉隆芳+浜本正文/訳
『ロンドン散策 イギリスの貴族階級とプロレタリア』法政大学出版局(叢書・ウニベルシタス)

 十九世紀フランスの女性社会主義者が四度の渡英経験に基づいて書いた書籍。
 当時の異国人がイギリスの大都市ロンドンを見たらどの様なものか、それを窺い知る事が出来る一冊。フランス人であり、女性であり、社会主義者である彼女が目にしたイギリスとは、貴族がプロレタリアを搾取して貧困を撒き散らす世界であった訳で、当時イギリスを攻撃した書籍だと批判されてしまったのもむべなるかなですが、実際は個人的な情緒たっぷりに、皮肉を交えながら厳しくイギリスを見つめたに過ぎません。以外と読み易い感じがしました。メイドさんについても僅かに触れられていますが、著者が見つめていた中心は結局上流・中流階級の女性だった事が端々に伺えます。

イレーン&ケリー・クロフォード/編著、奥田実紀/訳
『赤毛のアン●レシピ・ノート L.M.モンゴメリの台所から』東洋書林

 『赤毛のアン』でお馴染みの作家モンゴメリの手書きのレシピ帳を元に、1900年代初めの料理と調理法、当時の生活習慣や暮らしの知恵を垣間見る書籍。
 十九世紀カナダのレシピを再現した料理本です。モンゴメリはメイドさんを雇っていた中流階級の女性でしたが、自ら台所に立って料理を作って楽しんでいた様です。当時のカナダはイギリスの植民地であり、記された料理の数々も、イギリスのものに近いです。


第九十一回(2006.02.12現在)
古賀令子『コルセットの文化史』青弓社
 コルセットの起源、歴史、そして意味するものを論じた書籍。
 『MaIDERiA』さんのBBSで紹介されていた書籍。兎に角ひたすらコルセットを紹介しています。巻末には現代のコルセットの装着方法まで載っていて、その情熱には恐れ入る一冊。これを読むと、コルセット愛好者はどうやら肉体改造がお好きならしい。そっちの気が無いのでコルセットの魅力が分からないのですが、コルセットを付けるには力持ちのメイドさんが思いっ切り紐を引っ張らないと理想とする体型を得られないというのは、何とも……。

指昭博/編『祝祭がレジャーに変わるとき 英国余暇生活史』創知社
 近代イギリスに於ける余暇の過ごし方を紹介した書籍。
 “遊び”の合間に仕事をしていたものが、近代化に伴い労働の息抜きとしてのレジャーに変わっていったイギリスの余暇の過ごし方を論じています。イギリスでは日曜日はあくまでも『安息日』であり、余暇どころか外出する事すら教会に行く以外許されなかった事を始めとして、演劇やスポーツ、グルメ、買い物、旅行など、様々なレジャーを紹介しています。

フィリップ・アリエス、杉山光信+杉山恵美子/訳
『〈子供〉の誕生 アンシァン・レジーム期の子供と家庭生活』みすず書房

 ヨーロッパ中世から十八世紀に至る期間の、日々の生活への注視・観察から、子供と家族に付いての〈その時代の感情〉を描く。子供は長い歴史の流れの中で、独自のモラル・固有の感情を持つ実在として見られた事は無かった。〈子供〉の発見は近代の出来事であり、新しい家族の感情は、そこから芽生えた。著者アリエスは、四世紀にわたる図像記述や墓碑銘、日誌、書簡などの豊かな駆使によって、遊戯や服装の変遷、カリキュラムの発達の姿を描き出し、日常生活を支配している深い感情、mentaliteの叙述に成功している。
 中世ヨーロッパ、というよりフランスに於ける子供とそれを取り巻く家族の心情の変遷を論じた書籍。三つの章に分かれており、それぞれ子供期、学校生活、家族に関する事柄を述べています。
 メイドさんに関しては三章の家族で少しだけ触れられています。中世に於いては使用人はまだ家族の一員と見なされていましたが、十八世紀頃になると個人生活が中心となり、使用人が生活の場から切り離されていく事が述べられています。


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