メイドカフェに付いて思う所。


 トップでメイドカフェ紹介を自粛する旨を書きましたが、その理由をここで書き連ねたいと思います。後半、駄文が長々と続きますがご了承下さい。
 理由は3つ。一つ目は『メイドカフェのウェイトレスさんが着ているのは、衣装であって制服では無い』事。二つ目は『一連のメイドカフェブームにより同種のお店が乱立&閉店続出、情報を追い切れない』事。最後に『メイドカフェは結局(狭義の)飲食店では無い』事。
 一つ目の理由ですが、並列して『メイドさん資料の紹介』も行っていますが、このサイトは元々『ウェイトレス“制服”の紹介サイト』です。今まではメイドカフェを一応(狭義の)飲食店として分類し、ウェイトレスさんの着ている服を一応“制服”として扱い紹介して来ましたが、衣服の素材やデザインが飲食店に向かなかったり、それに種類が豊富過ぎて制服として認められない事が、今回の自粛の一因です。
 二つ目の理由は、只でさえ制服の取材が月一ペースにまで落ち込んでいるのに、それこそ毎日の如く何処かでメイドカフェやその類似店が開店しており、更には見通しの甘さなどから閉店に追い込まれる店も続出しており、情報を得ても取材に行けない事が挙げられます。
 しかし今まではそれでもメイドカフェのお店を紹介して来ましたが、矢張り看過出来ない記事を目にし、今回の自粛を考える様になりました。

一例
福岡のメードカフェに風俗営業指定(nikkansports.com)
メードカフェは風俗 風営法の許可得るよう指導(スポニチ Sponichi Annex)
福岡で「メイド喫茶」に警察が警告(スポニチ Sponichi Annex)
メード喫茶:福岡県警 行き過ぎ2店にイエローカード(MSN Japan)

 それが最後の理由です。『メイドカフェ』を謳いながら、その実ソフト・コスキャバにしか過ぎないお店の多い事。飲食店の筈なのに、『一時間○○円』のお店の多い事。しかも最近、そういうお店の方が多いのです。
 こう言うと、必ず『でも、そうじゃないお店も多いよ。そういうお店まで十把一絡げにするのはどうかなぁ』と反論される向きの方も多いでしょう。でも、それでもそれらメイドカフェと他の飲食店は何処かが違うのです。
 そのヒントを与えたのは、皮肉にもTV番組でした。ある番組で『“アキバ系”とは何ぞや?』という紹介がありましたが、その中で『メイドカフェオタク』はアイドルオタクから派生した、とありました。諮らずも、これがメイドカフェと他の飲食店との違いを露出させました。メイドカフェには、『メイドさん』を名乗るウェイトレスさん達のファンが集うのです。
 つまり、メイドカフェは一般の飲食店では無く、『メイドさん』とそのファンとのコミュニティーの場でしか無いのです。メイドカフェ関連のBBSには、お店そのものの評価よりも、誰々ちゃんが可愛いだとか、誰々はブスだとか、要するに『メイドさん』に対する評価の方が圧倒的に多いです。よく聞く台詞で『オタク以外がメイドカフェに来るな!』というものがありますが、それは結局このコミュニティーの場に、“部外者”が乱入する事を快く思わないからこそ発せられた言葉でしかありません。この“部外者”の中には、例えオタクであっても『メイドカフェオタク』では無い人々も含まれているのです。
 料理に舌鼓を打ち、一杯の紅茶を嗜みつつ、ウェイトレスさんの働き振りを鑑賞し、可愛い制服を堪能する(あくまでもメインは制服)――これが、自分を含めた昔の“制服マニア”の楽しみ方でした。しかし、そういう楽しみ方でさえ、メイドカフェでは少数派として片付けられてしまいます。昔ながらの“制服マニア”からすれば、メイドカフェには違和感しか生じません。最近流行りの『レトロ系アミューズメントレストラン』とも違うノリ。『レトロ系』はあくまでも制服を含めた“内装”にもこだわりを加えただけで、(狭義の)飲食店でしかありません。“狭義の”と付くのは、広義の飲食店には所謂『ノーパンしゃぶしゃぶ』の様な風俗的なものも含まれるからです(脱線するけど、今はありパンの『パンツ見せしゃぶしゃぶ』になってるらしい)。そして、メイドカフェもこの『広義の飲食店』の方にしか含まれない(狭義のだとはじかれる)飲食店に限り無く近い存在となりつつあります。ある種のお客に喜んで貰う為の接客やゲーム――ダーツバーで遊ぶのとは訳が違います。酷い所だと『メイドさんになってご主人様に尽くしたいと嘯きながら、結局は自分をちやほやしてくれる常連客(しかも『キモイ』とまで思っている)しか相手にしないウェイトレス』と、『ハーレム主義的にメイドさんを侍らせて単純に喜んでいる(割には『メイドさん』を脳内でランキングしている)メイドカフェオタク』の遊び場にしかなっていないお店もあります。無論、こういったお店ばかりではありませんが、健全で『普通の喫茶店』っぽいお店でさえ、この『メイドさんと常連客』の関係が強いのです。くどい様ですが、メイドカフェは『メイドさん』と言う名のアイドルと触れ合う為のコミュニティーの場であり、そこに集うお客(の大半)は彼女達のファンと言う訳です。そして、『メイドさん』のファンでは無いお客は“部外者”として放って置かれる――これは極端な話ではありますが、既に、メイドカフェは『メイドカフェオタク』しか楽しめない場となっているのです。
 そして、メイドカフェが提供している娯楽とは、浅薄で表面的な『メイドさんと御主人様ごっこ』です。『お帰りなさいませ、御主人様(orお嬢様)』という挨拶。紅茶を注文するとほぼ行われる、最初の一杯を『メイドさん』が注ぐ(場所によっては砂糖やミルクも)というサーヴィス(その上、ポットは置いていくくせに、砂糖やミルクは持って帰ってしまうし。これでは二杯目以降を飲もうとすると、何も入れずに飲むか、その都度人を呼ばなければならない。後者の場合、忙しい時間帯だと待たされる羽目に陥るので不満が募る事となるが)。これがメイドカフェが振り撒く『メイドさん』らしさです。だけど、目に付く『メイドさん』らしいサーヴィスとは、それだけです。が、メイドカフェが世に提供する『メイドさん』らしさは、この閉じた世界の中で増幅・強化・歪曲化されたイメージなのです。極端にデフォルメ化された『メイドさん』像が、今や一人歩きしているのです。
 独特の挨拶もお客=主人という一方的な枠組に当てはめたものにしか過ぎませんし(『屋敷の主人に招かれた客人』というスタンスもあったら面白いのになー……とこぼしていた人もいました)、紅茶を注ぐサーヴィスにしても、抽出時間を計り間違えて薄かったり濃かったりする場合があって辟易させられた経験もありました。又、お客に味付けの具合を尋ねる位なら砂糖やミルクはお客に任せた方が良いし、『メイドさん』が行う事を重要視するなら、『メイドさん』各位で砂糖やミルクを入れて彼女達の個性を出した方がウケるかと思います。ですが、それは枝葉の類でしかありません(枝葉の類でもないよーな)。メイドのメイドたるメイドらしさが微塵も感じられません。寧ろ、お客に媚びる女性そのものです。
 そもそも、メイドカフェの『メイドさん』のイメージは、何度か訪れたメイドブームが生み出した『メイドさんもどき』です。ひらひらとした可愛い衣装を身に付けた、御主人様(ほぼ男性)に身も心も尽くす可愛い女の子。メイドカフェの『メイドさん』が行うのは(奉公ではなく)奉仕。これは主にエロメディア(それもエロゲー)で展開した洋館ものの定番『両親の抱えた借金の為、金持ちの屋敷にメイドとして奉公に上がった娘が、奉公先で鬼畜な目に合う』の“鬼畜さ”を抑え“純愛”を加えた焼き直しである、『不幸な身の上で(or自ら進んで)メイドになった少女が、最後には屋敷の主人に愛される』という陳腐な“お約束”の中のメイドさん、要するにメイドブームで佃煮に出来る程出回ったメイドものの“それ”でしか過ぎません。初期の洋館もののメイドさんなんて、それこそ時代劇にありがちな『貧しいが故に奉公に上がったものの、そこの旦那様にお手付きにされてしまう』の近代化ヴァージョンだし。元の生まれからしてエロ方面寄りであるこの『メイドさん』のイメージこそ、回り回ってメイドカフェがソフト・コスキャバ化する要因の一つかと思います。
 これが今回の自粛の原因です。食事ではなく、『メイドさん』を楽しむ場でしかないメイドカフェを(狭義の)飲食店とは思えないのです。『可愛い制服のお店を発見する』昔の“制服マニア”の楽しみ方が出来ないお店を紹介するのは、制服サイトの主義に反する様な気がしてならなかったのです(古いヲタなので)。制服を見ている事を周囲に悟られずに鑑賞するのは、“制服マニア”独特の『密かな愉しみ』でした。今は過度期にあり、ブームが過ぎ去ればある程度淘汰が進んで、『普通の喫茶店』のメイドカフェもある程度生き残る事でしょう。落ち着いた頃を見計らい、この『普通の喫茶店』のメイドカフェの制服(“衣装”ではなく)の紹介を再開するつもりでいます。
 こういった流行から外れるのは、サイトとしても痛い所なのですが……まあ、あまり人が入らない弱小サイトだからねっ。意外とダメージが少ないかも知れませんが(^_^;)。あと、某サイトの『メイド服デザインコンテスト』に二回も投稿してるくせに何を言うかってゆー野暮なツッコミも無しです(結局閉店かよ、あそこ)。それは君と僕との秘密です。それと、まかりなりに正統派謳ってるなら、一般公募せずに海外とかのヴィクトリア時代紹介ページでも参照してリアルなメイド服を自分でデザインしろよって心密かに思っていた事も、君と僕との内緒の約束です。大層な事を言っている割にはどっかで聞いたよーな事をぐだぐだと書きやがって、今更何を言ってるんだと言うのも言っちゃいけないお約束。駄文をつらつらと書き連ねて参りましたが、そういう訳ですので、どうぞご了承下さい。

2005.11.13. 小手鞠萌


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