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徹君はどうしても「あいうえお」が覚えられません。
いえ、「あいうえお」は知っているのです。
でも「あいうえおの次はなんだったかな・・・『さしすせそ』だったけ、それとも『はひふへほ』だったっけ。
お姉さんに聞いてみました。
「どうやったらあいうえおの順、覚えられるの?」
「なんだ、そんなの簡単だよ」
お姉さんは鼻高々です。
「あかさたな・はまやらわ。そうやって覚えとけばいいのよ」
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「あかさたな、はまやらわ?、なんだソレ?」
徹君はちんぷんかんぷんです。
「あかさたな・はまやらわ・・・いったいそれってなんだろう」
お母さんに聞きました。
「あかさたな、はまやらわってなんのこと?」
「ああ、それねえ」お母さんは笑って言いました。
「『あいうえお』の表をよく見てご覧なさい。上から下に読むと『あいうえお』でしょ?。だけど右から左に向かって横に読んでご覧なさい?」
徹君はやってみました。
「あ、なーんだ。あかさたな、はまやらわだ!」
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「そうか、『あかさたな、はまやらわ』は、あ行の次はか行、その次はさ行。あいうえおが並んでいる順番を教えてくれているんだ。だから、あかさたな・はまやらわって覚えておけば、あいうえおの順番、間違えることはないんだ」
徹君はほっと安心しました。
お母さんは台所でなんだか楽しそうに鼻歌を歌っています。いえ、ソレは歌ではありません。なんだか呪文のような・・・・
「いろはにおへど、ちりぬるお、わかよたれ、そつねならむ」
それはまだ徹君にはなんだかわからないけれど、同じひらがなだけを使った古い文句で、それを口ずさんでいるお母さんの姿は、いつもよりひときわ優しく見えたりするのでした。
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