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シアトルでは、バス(メトロ)を使いこなすことで縦横無尽に動き回ることができます。
近距離なら1ドルでトランスファー(乗換券)使えば2路線に乗ることもできます。網の目のように町中をバス網が網羅しているうえに、びっくりするような遠距離乗っても2ドルしないのですから、210円も取ってトランスファーもくれない我が国のバスとは大違い。シータック空港からダウンタウンまで、グレイラインのバスだと片道8ドル弱、シャトルでも7ドルなのに、メトロだと2ドル弱。
路線ごとの詳細なダイヤがありますから、街の各所でかき集めて路線図とにらめっこして、街の隅々まで走り回ると良いでしょう。ジミ・ヘンドリクスの像にも、ブルース・リーのお墓にも、セィフェコ・フィールドにもバスで行けます。
無愛想な運転手も多いけれど、挨拶すれば「調子はどうだい?」などと一応返してくれるし、場合によっては歌ったりもします。僕がダウンタウンのはずれまで行くために乗ったバスが故障でダウンタウンのど真ん中でウンともスンとも言わなくなりストップ。エディ・マーフィーに似た運転手は慌てず騒がずマイクで「今日は少々機嫌が悪いみたいで止まっちゃった。悪いけど次に来るバスに乗り換えてくれるか〜い」と言って、蛍の光を歌って降りてゆく乗客一人一人を見送った時は拍手が起こりました。女性運転手の多さも特筆モノ。小柄(じゃない人もいるけど)な女性があの大きな車体を軽々コントロールしているのを見ると「素晴らしい」と思います。
シアトルのバスは、前方にキャリアがついていて自転車を搭載することができます。歩いて押すのもキツい坂が多い街ですから、これは便利。たとえば、上り坂だけバスに乗り下り坂になったら自転車ですっ飛んでゆく、というような行き方もできます。
バス停も、ただ看板だけのバス停や、鉄枠とガラスで囲まれた全天候型のバス停もありで、また楽し。特に屋根付きの場合、誰かが必ずペイントしちゃってることがあって、それもアートだったり、メッセージだったり、単なる落書きだったり。ノーモア・ヒロシマって書いてあると、ノーモア・ヴェトナムだろって思ったり、「ようこそ、楽園へ」って書いてあるバス停が治安の非常に悪い場所だったり。これだけバス停を楽しんでおきながら、残念ながらほとんどバス停の写真を撮っていません。なぜならば、「アッ!」と思った時にはバスは次のバス停に向かって突っ走っているからです。今度シアトル滞在のチャンスがあれば、レンタカーでも借りて憶えている限りのバス停を写真に撮ってみようと思います。
バスの想い出というと、僕がSecretRecordsくんの家でのパーティの帰り、午後10時過ぎだってのに隣に8才くらいのアフリカン・アメリカン(黒人とは言わない方がよろしいようですよ)の少年が座り、その向こうに姉二人が座り、僕の読んでいたエンダーのゲームをのぞき込んで、「なんで縦に文字が書いてあるの?」と聞いてきたことですね。なんでっていわれてもなぁ…と思いながら、「説明できないよ。僕は日本人で英語できないから」と言うと、「エッ?日本人なの?」と聞かれたことでした。向かいの席の姉さんが「ねぇ本見せて」というので本を見せると、「日本語難しい?」というほとんど僕には哲学的としか思えない質問をして、僕を更に困らせたのでした。幸い次のバス停から僕のルームメイトが偶然乗り込んできて、どうやら「こんな遅い時間に子供だけでバスに乗っていてはいけないよ」というようなことを諭していたようですが。
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