Silent Voices from Webmaster

 

ここ数年、音楽とインターネットはとても微妙なバランスで存在しています。

インターネットが世に知れ渡り始めた頃は「新しい音楽のあり方」を提唱する声もあり、ネットも音楽も素人な私は今まで以上に音楽が盛んになるような期待をしたこともありました。何でも出来る新しい世界、あるいは音楽とネットがお互いを発展させる関係。そんなふうにぼんやりとイメージしていました。ところが今はインターネットが発展途上であるがゆえ、音楽を供給する側も音楽を受け取る側も、それぞれお互いがネット上で過剰反応し、その過剰反応が更に相手側の過剰反応を生んでいるような状態、と言っていいでしょう。

その発端は(これは誰も責められないと思うのですが)「公私混同」という問題です。ネット上にデータをアップロードしたり、掲示板などで発言したりすると、それらは「公の場での公開」と同義になります。このことは実は私もネットをやり始めてかなり時間が経った後少しずつ実感が持てた点でした。 とかくPCの画面上では、ネット上のコンテンツと自分のPCに保存したデータとの区別があいまいになってしまうのです。これは本当に仕方のない要素だと思います。同じ画面にネット上の情報も自分の保存しているデータも同じように表示されてしまうのですから「テレビと実物」のような明確な区切りがPCにはなく、人間にはわかりにくいのです。PCもインターネットも人間が創造したものなんですけどね。

そしてこの「公私混同」が問題となって騒がれ始めました。公の場での公開には権利がつきまといます。この権利を侵害するつもりがないのに知らないうちに(あるいは権利保護よりも自分の発する情報への反応を見たいがために)誰かの権利を侵害してしまい、応援するつもりが迷惑をかけてしまっていた、という場合があるのです。

この問題に対して、過剰な規制で抑え込もうという動きがあるのがまた問題だと思うのです。ミュージシャンの生活に悪影響を及ぼす情報の公開も、純粋に応援するだけの情報もまるで同等のように規制している人たちがいます。億を超えるページから悪質なものだけを探して規制することは困難でしょうが、この過剰な規制が音楽ファン全体を脅かした、というのは言いすぎでしょうか?

確かに世界的な不景気や情勢不安も音楽の衰退の要因であると思いますが、それに拍車をかけて庶民から音楽を遠ざけたのがこの過剰な規制であると私は感じています。せっかく距離を気にせず交流できる場であるはずのネットをあれもダメこれもダメとがんじがらめに監視されては、利用する側は(特にネット初心者は)文句をつけられるのを恐れて尻込みしてしまいます。その結果(だけとは言い切れませんが)多数のファンサイトが閉鎖していることは周知の事実です。これからなお続いていくであろうインターネットの歴史から見れば、今の状態は単なる一時的なものなのかもしれませんが、インターネットと音楽の両方が生活に根付き、今を生きている私たちにとってはとても深刻な問題だと思います。

とは言うものの音楽を生業とする側も音楽を聴く側もインターネットとの関わり方については方針をなかなか決められないのだろう、とも思います。インターネットそのものが発展途上なのですから。ゆえに多種多様な反応があるのですがその中の少しだけ、音楽に限りませんが例を挙げて紹介してみます(その反応の是非を問うものではありません):

・hide(というよりHEADWAX ORGANIZATION);2002年夏、メンバー限定コンテンツ内で、ファンサイトにおけるhideの写真・文章の公開について警告を発する。

・イエローキャブ;2003年初冬、所属タレントの写真を公開するサイト管理者に損害賠償メールを送信。

・ジャニーズ事務所;方針の開始時期は定かではないが所属タレントのネット上での写真公開を全面禁止している。これは所属タレントが起用されているテレビ番組公式サイトや企業CMのサイト、更に雑誌や新聞社のサイトであっても一切例外はない(2003年からケイタイのみ有料で公開開始)。

・JASRAC(日本音楽著作権協会);プロバイダ責任制限法の活用、独自の検索エンジン、警告メール、損害賠償などで違法サイトを撲滅。

規制そしてまた規制、ファンとしてはかなり迷うものではないでしょうか?ただ、それぞれの反応にはここでは語りきれない裏話もあり、即断で是非を問うのは簡単ではありません。が、そんな中私が感心したのはジャニーズ事務所、これはかなり徹底しています。この方針ならば違法サイトは誰の目にも明らかです。また、お気づきの方も多いでしょうが雑誌社や新聞社、テレビ局などのサイトにも著作権について明記されたページが増えてきています。

 

また、「コンテンツやビジネスの過剰防衛」とも思える事柄もあります。ひとつは音楽CDをPCにダウンロードさせないために生まれた「CCCD」。これが音楽ファンの間で議論されています。音質低下の懸念やCDプレーヤでの再生保証のなさが問題になっているのです。「自分のプレーヤでこのCD聞けるかな・・・」という気持ちでCDを買っても楽曲を堪能できませんよね?

もうひとつは商売を前面に押し出した公式サイト。とあるミュージシャンの事務所は、それまで存在していたミュージシャン手作りの公式サイトをわざわざ閉鎖し、楽曲のすばらしさを売り込むより先にグッズ販売に走ったサイトを新たに立ち上げた、という例もあります。

これではミュージシャン本来のウリであるはずの「楽曲」を堪能したい、というファンの気持ちが揺らいでしまいます。プロである以上お金が関わることは否定しません。しかし音楽はビジネスである一方で芸術でもあるのです。芸術的要素、つまり人の心を動かす作品をまず第一に売り込むべきと管理人は考えます。それが世間に認知されて初めて各種グッズの需要が増えていくのではないでしょうか?それなのに買う側からも売り手の金勘定が明らかに見えてくる作品ばかり出されては、自分が心を打たれた楽曲について語る気持ちが薄らいでいくだけではないでしょうか?私ならそんな商品を先を急いで手に入れるよりも、自分の好きなミュージシャンや作品をもっとたくさんの人に知ってもらい、それについて感じて欲しいと思います。その手段のひとつとしてサイトを運営し、非力ながらミュージシャンを応援出来れば、とこうして声にならない声で主張しています。

 

最後に余談ですが、インターネットによって磨きがかかった現代人の特性として、「新しもの好き」という点が挙げられると思います。言うに及ばず、サイトで新しいと言えばニュースやページの追加やデザインのリニューアルです。しかしこのサイトはhideさんを中心に展開しているサイトですからニュースに乏しいのは仕方のないことだと私は考えています。また、変わり続けることは悪いこととは思いませんが、「変わらなきゃ変わらなきゃ」という強迫観念にも似た思いでリニューアルを頻繁に繰り返すことは私にはとてもできないことなのです。

なぜなら管理人自身がそう簡単に「変われない」からです。そんな管理人の非現代人的特性が出ているサイト、ということで訪問していただいた皆さんにもどうかお許し願いたいと思っております。

以上、なんかまとまりのない文になりましたが、「あの日から5年」という思いに代えて。hideさんへの現状報告ということで。

Apr. 18, 2003 Mr.Donblly & たけさん  modified May.11,2004 たけさん (このページ内の写真は本文とは関係ありません) 

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