
愛美は英子が松江第八中学校に復帰しても授業についてゆけるよう英子の勉強の面倒を見ることにした。世が世なら吹奏楽部の後輩になっていた英子のために。英子はもともと頭のいい少女だったので愛美の教えることをぐいぐい吸収していった。愛美はまきと相談して中学1年生の各教科の先生に働きかけてプリントの課題を作ってもらい英子に解かせてそれを愛美が提出して英子が成績オール1にならないようにしていた。絶対評価なので出席していないだけでも1をつけられかねないので、提出物でカバーする作戦だ。本来英子が試験を受ければ学年トップだって可能なのに惜しいと愛美は思った。松江第八中学校もまきと愛美の主張と英子のやる気を尊重して英子の自宅学習を認めることにしていた。
「じゃあ次の問題を解いて」
「はい」
英子の部屋で愛美が数学を教えている。英子は
(−7)+(+3)−(−6)−(+5)
という正負の数の加減の問題に取り組んだ。まず英子はそれぞれの数のカッコを外すところから取り組んだ。
−7+3+6−5
として、正負の数をそれぞれまとめて
+3+6−7−5
として
+9−12=−3
と答えを出した。
「正解!」
と愛美が言うと英子は表情を緩めた。
「じゃあ英子ちゃん、こっちを解いてみて」
と愛美は指示する。英子は同様に正負の数の問題を解いてゆき課題のプリントをすべて終わらせた。
「赤松先輩終わりました」
「ん、じゃあ休憩しましょ」
と言う。頃合を見計らった英子の母明子が紅茶とクッキーを乗せたトレイを持って入ってきた。
「愛美ちゃん、すいませんねぇ、毎日のように来てもらって」
「いえ、今年から部活もなくなっちゃって暇ですので」
「こうやって愛美ちゃんが教えてくれるから英子の勉強が遅れないで済んでほんとまきちゃんともども感謝しているわぁ」
「本当に赤松先輩と志村先輩がいなかったらあたしの1学期の成績オール1になっていますから、先生に掛け合ってプリント学習を認めさせて下さり感謝しています」
と二見親子に口々にほめられて愛美は頭をかいた。明子が部屋から出ていくと英子は
「今度先輩うちに泊まりに来てくれませんか?」
「えっ?!」
「今度の土曜日学校が終わったらうちに来て下さい。お母さんにはあたしから言っておきますから」
今まで英子から何かをもちかけてきたことなど一度もなかったから愛美は驚いた。
「できれば志村先輩にも来てほしいんですけれど…。受験生だからだめですかねぇ?」
さらに志村まきにもお呼びがかかっている。
「あたしはいいけれど志村先輩は聞いてみないとわからないわ」
と愛美はOKした。英子が目を輝かせあまりにも熱心に頼むのでNOとは言えなかったのだ。
愛美は家に帰ると志村まきに電話した。
「もしもし、志村先輩ですかぁ」
「うん」
「愛美です」
「最近英子ちゃんどぉ?」
「少ないながらも食べていますので血色もよくなり体のほうは心配ないです」
「そう、それはよかったわ」
「で、今日英子ちゃんから今度の土曜日泊まりにきてと誘われたんです」
「へぇーっ」
「『できれば志村先輩にも来てほしいんですけれど…。受験生だからだめですかねぇ?』って英子ちゃんが言ってましたけどだめですかねぇ?」
「いいわよ、受験勉強なんてばからしくてやってられないから」
「英子ちゃんから何かをもちかけてきたのって初めてなんですよ。だからあたしうれしくって」
「そうかぁ、英子ちゃんもだいぶ心の傷が回復してきたようね」
「はい、そう思います」
「わかったわ、あたしも行くわ。楽しみだなぁ。何を着て行こうかなぁ」
「志村先輩の持ってる松江第八中学校吹奏楽部の古いビデオを持ってきて下さいよ。英子ちゃん喜びます」
「わかったわ」
「こんなのって吹奏楽部の合宿を思い出しますねぇ」
「夜遅くまで怪談話とかしたよねぇ〜」
「はるかと久美子が泣きながらふとんかぶって怖がって」
「今回もこわ〜い話大会をしよっか」
「いいですねぇ」
「それじゃぁ土曜日家に帰ってから夕方英子ちゃん家で」
と話はまとまった。
7月3日土曜日。まきと愛美は4時間目まで授業を受けた後一度家に帰り私服に着替えて自転車で英子の家にそれぞれ向かった。二人とも一泊しかしないのに何を持ってきたのか大きな旅行カバンを自転車の荷台に載せている。最初に愛美が二見家に着いた。今日の愛美は灰色の半袖パーカーにピンクのキャミソール、デニムのクロプトパンツをはいている。二見家のベルを鳴らすと英子が玄関を開けて泳ぐように出てきて
「うわぁ〜っ、赤松先輩本当に来てくれたんですねぇ。とってもうれしいです」
英子は水色の長袖ブラウスに緑のタータンチェックスカートというおとなしい格好をしている。愛美は居間にいる英子の両親のところに行きあいさつする。父の久志とは初対面であったので
「松江第八中学校の赤松愛美です。今夜一晩お世話になります」
「いつも英子をかわいがってくれてありがとう。大変感謝しています。これからもよろしくね」
「いえ、こちらこそお泊まりにきてしまいすいません」
「病人のようだった英子がここまで元気になれたのも君と先輩のおかげだよ。今夜はご馳走だよ」
と久志にあいさつした後二人は英子の部屋に行った。
それから少しして志村まきが二見家に着いた。今日のまきは水色のレースのセーターに黄色いキャミソール、デニムミニスカートに松江第八中学校では禁止されているルーズソックスで現れた。
「こんばんは、遅くなりまして」
とまきが言うと玄関に迎えに出た英子と愛美が顔を出した。
「愛美早かったね。英子ちゃん、こんばんは」
「志村先輩こんばんは。今夜は来て下さってうれしいです」
「あたしは30分くらい前に着きました」
「志村先輩は受験生なのに無理を言ってすいませんでした」
「たまにはウサ晴らししなくちゃねぇ」
と言って二見家に上がると居間の両親にあいさつをする。明子は
「まきちゃんは受験生なのに英子のわがままにつきあってもらっちゃってごめんなさいね」
「いえ、たまには気晴らしも必要ですから」
久志が
「中学3年生ともなるとしっかりしているね。高校生と言われても通るくらいだ」
「まきちゃんは後輩思いで英子のためにいろいろ先生にかけ合って下さったのよ」
「そうだったってねぇ。いろいろと英子が面倒をかけたねぇ」
と久志に言われてまきは少し恥ずかしかった。
まきが着いたので夕食となった。二見家の食卓には黄色い明子手作りのテーブルクロスがかけられていた。食卓の中央には一輪挿しに白い花が揺れている。ダイニングセットにはイスが4脚しかなかったので英子の部屋から学習机のイスを持ってきて明子がそれにすわった。まきと愛美はテーブルに並ぶ大量のご馳走に目をむいた。一体誰がこんなに大量に食べるのであろうか? 二人は明子に
「まきちゃんも愛美ちゃんも遠慮しないでドンドンおかわりしてね」
と言われるが女の子だからそうは食べられまいと思った。しかし明子の手料理は大変においしくまきも愛美も意図せずたくさんおいしく食べていた。英子は二人の先輩と楽しそうにおしゃべりしており、5月末に不登校になって以来初めて見せる娘の笑顔に久志はビールを飲みながら目を細めた。まきが
「お父さんどうぞ」
と久志にビールを注ぐと
「かわい娘が3人に増えたみたいでうれしいなぁ」
とご満悦だ。愛美は
「これおいしいですね」
と鶏のから揚げとミートボールを食べている。久志はまきに
「最近松江第八中学校はどう?」
「ガリベン法以来すっかり活気がなくなりました」
「そうだろうねぇ、あれはいかんよ」
「部活がやれないなんて何のために学校行っているんだかわからないですね」
「まきちゃんは部活何やってたの?」
「二人とも吹奏楽部でクラリネットを吹いていました」
「そうだったんだぁ。うちの英子も小学生のときから中学校に入ったら吹奏楽部に入るんだって楽しみにしていたんだよ」
「そうですってねぇ〜」
「あたし吹奏楽部に入って先輩たちと演奏したかったなぁ。なんでガリベン法なんてあるんだろう」
と話がガリベン法に向いそうになるのでまきはあわてて方向修正して
「それよりも愛美、英子ちゃんの勉強のほうはどうなの?」
「もうばっちりですよぉ。英子ちゃんはあたしより頭がいいから教えるのも楽です」
「じゃあ明日から愛美が英子ちゃんに教えてもらったら」
「そうですね。そうすれば少しは成績上がるかも」
「あたしも受験が近くなったら教わりにくるから」
と一同笑いに包まれなごやかに食事が進んだ。いつもは食事をほとんど食べない英子が今夜はおかわりをしたのに両親は驚いた。英子も大好きな先輩が2人も泊まりに来てくれたのが嬉しくて子供のようにはしゃいでいた。
食事が済んでからまきが
「あっ、愛美に頼まれたビデオいろいろと持ってきたわよ」
「志村先輩、何のビデオなんですか?」
「英子ちゃんこれにはね、志村先輩の恥ずかしい姿がいっぱい写っているんだよ」
「コラっ、愛美。英子ちゃんに変なこと吹き込まないの。英子ちゃん、これはね英子ちゃんに見てもらおうと思ってありし日の松江第八中学校の吹奏楽部のうちの母が撮ったビデオを愛美に頼まれて持ってきたの」
「うわぁ〜、志村先輩早く見せて下さい」
「私たちも見せてもらっていいかな」
と久志が言う。愛美が
「どうぞどうぞ、お父さんにもありし日の志村先輩の姿を見てもらいましょう。あんなに元気だったのにいい人を亡くしたなぁ」
「こらっ! 人を勝手に死なせるなぁ。あたしゃこの通り元気だよ」
「うわぁ〜、志村先輩が化けて出たぁ。迷わず成仏して下さい。ナンマンダブ、ナンマンダブ…」
と手を合わせる愛美とまきの漫才コンビのようなやり取りを英子はくすくす笑いながら見ていた。不登校になって以来久し振りに見る娘の笑顔に久志と明子は目を細めた。まきは英子の部屋に置いてあるカバンの中から数本のビデオテープを取り出し抱えて居間に戻ってきた。その中から1本を受け取り愛美がビデオデッキにセットする。
1本目はまきが中学1年生の秋の運動会のビデオであった。「1−1」のゼッケンをつけた体操着を着た幼な顔で髪も黒いまきが一生懸命にクラリネットを吹いている様子が写っていた。トラックの中に入るわけにもいかないから斜め後ろの位置からまきの肩越しに横顔を撮っている。まきの母親が撮ったので手ブレしまくりでズームもせわしなくひたすら自分の娘だけを撮っている典型的なホームビデオであるが二見家の居間に集う人達はそれに見入った。愛美も中学1年生のまきを知らないから初めて見る過去の松江第八中学校吹奏楽部の映像を興味深く見た。まきの100m走や女子のダンス、学年種目のムカデ競争で1年1組がみんなで転倒するシーンもあった。愛美が
「志村先輩って中学1年生のころはずいぶんとかわいかったんですね」
「愛美それってどういう意味よ」
「いや、そのぉ志村先輩もずいぶんと成長されたな、というかぁ…」
それを聞いて英子はくすくす笑っている。
2本目はまきが中学1年生の秋の文化祭演示の部のステージで松江第八中学校の体育館でまきの母親が撮ったビデオ。松江第八中学校の体育館はホールと違い照明がピンスポ程度しかないから全体的に暗い印象を受ける画面になっている。今度はまきの母親が三脚を立ててビデオを撮ったようで手ブレもなく画面が安定しているが素人ビデオなのでズームがせわしない。クラリネットは最前列にいるのでこういうときに目立つからよい。中学1年生のまきがセーラー服を着てクラリネットを吹いている。画面が切り替わって演奏後幼いまきが母親のビデオカメラにしてVサインしながら
「今日のまきの演奏はばっちりでした。いぇーい…」
とコメントしている。本人も忘れていた幼い自分の恥ずかしい姿にまきはあわててビデオを止めようとリモコンに手を伸ばすがすかさず愛美がそれをひったくり静止のボタンを押した。テレビの画面にVサインする幼いまきが写ったまま静止した。
「ちょっと愛美リモコンを貸しなさい。恥ずいでしょ」
「へぇーっ、志村先輩ってこんなお茶目な1年生だったんですねぇ」
と愛美が勝ち誇ったような顔でニヤニヤしながらいう。まきは顔を真っ赤にして
「いいから早く止めてよ」
と恥ずかしくて泣きそうだ。
3本目はまきが中学2年生の5月に商店街のイベントで演奏した時のもの。このとき1年生の愛美も松江第八中学校吹奏楽部に入っていて現場にいたけれどまだ楽器を演奏できないから会場上手で先輩方の演奏を聴いていた。まきの母親は商店街の一角にすわり演奏するまきのすぐ近くからビデオを撮っていた。このビデオもまきのアップばかりが続くがまきの母親は何を思ったのか不意に上手で聴いている1年生にカメラを向けた。その中に膝下5cmのスカートのセーラー服に身を包みぽかんとした顔を演奏を聴いている中学1年生の愛美の姿が写った。今度は愛美にとって都合の悪いシーンが出たので早送りしようとしたら英子がリモコンを愛美からひったくった。
「ちょっと英子ちゃん。リモコン返して」
「だって赤松先輩かわいいじゃないですか。あたしもっと見たい」
と言いながら英子は画面を静止させ愛美のぽかんとした顔がテレビに写ったまま静止した。愛美は英子のリモコンを取り上げようとしたけれど英子は胸の前に抱きかかえて離さなかった。まきはげらげら笑いながら愛美に
「愛美って1年生のときは結構かわいかったのねぇ」
「志村先輩までやめて下さいよぉ」
と恥ずかしそうに言う。英子はビデオの再生を押したので愛美のぽかんとした顔はテレビから消えクラリネットを吹くまきに戻った。ビデオを見ながらわーわー言い合う娘たちを英子の両親は嬉しそうに見ていた。
4本目はまきが中学2年生の夏祭りでの演奏。この時からビデオのまきの隣にクラリネットを持った愛美が登場する。真夏ゆえ吹奏楽部員たちはセーラー服ではなくまちまなTシャツにジーパンの私服を着ていてまきは黄色いちびTシャツ、愛美はピンクのTシャツを着ている。ビデオに写る観客には浴衣姿の女の子も見られいかにも夏祭りである。神社から借りた和太鼓を使っての八木節ではパーカッションの男子がねじりはちまきに背中に大きく「祭」と書いたハッピを着て腰を入れ力強くたたいて観客のかっさいを浴びていた。英子が感動したような目で
「これが赤松先輩のデビュー作なんですね」
「英子ちゃん、この頃の愛美はクラリネットが下手くそでねぇ」
「えっ、そうなんですか」
「そうそう、いつも同じ所で間違えるの。もっとも今も大して進歩していないけど」
「志村先輩ひどーい」
「あっ、赤松先輩かわいい」
と言う英子に愛美は
「恥ずいからあんまり見ないで」
と言うのに対して英子は
「赤松先輩のいいシーンがあったらまた静止してじっくり見ますから」
とリモコンをちらつかせ3人は笑った。
ビデオを見ているうちに夜11時近くになったので3人は一度英子の部屋に引き上げてお風呂に入ることにした。英子はもじもじしながらまきに
「あのぉ、もしよかったらでいいんですけどぉ、志村先輩一緒に入ってくれませんかぁ?」
と告げる。まきは一瞬えっという顔をしたけれどすぐに
「いいわ」
と言ってカバンの中からパジャマを取り出して英子と風呂場に向かった。その間愛美は英子の部屋でお留守番している。愛美が一人で英子の部屋に置いてあるマンガを読んでいると明子がやってきて愛美とまきが寝る布団を敷いていった。
脱衣所でまきが服を脱いでいる脇で自分で誘いながら英子は少し脱ぐのをためらっていた。しかしまきが裸になったのを見て英子も決心してスルスルと服を脱ぎ風呂場に入った。
「志村先輩、お背中流します」
と英子はスポンジにボディソープを泡立ててまきの背中を洗う。
「あたし一人っ子だからこういうのってあこがれていたんです」
「そっかぁ、一人っ子だとないよね」
と英子は語る。英子には年の近いいとこで近くに住んでいる人はいないのでこういう姉妹で何かをするような経験は全然ないのだ。
「志村先輩胸大きいですねぇ」
と言われまきはあわてて胸を隠す。
「英子ちゃんも中学3年生になればこのくらいにはなるわよ」
「そうですかぁ。やっぱ男子って胸の大きい女子が好きなんですよね?」
「そんな事ないんじゃないの。ははぁ〜ん。英子ちゃん好きな男子がいるんだ」
「ちっ違いますよぉ」
「その子に『胸が小さい』って言われたんだ?」
「そんなこと……」
と否定する英子が真っ赤なのはのぼせたからではなかった。
「誰よ、誰なのよ」
と聞くまきに英子はうつむいて答えなかった。
今度はまきが英子の背中を流す。英子の長い髪が邪魔なのでまきは右肩から前に垂らした。
「それにしても英子ちゃんって髪がさらさらできれいよね。何か手入れしているの?」
「別に何もしていないですよ」
「う〜ん、こういう髪が長くてきれいな女子に男子は弱いのよねぇ。で誰が好きなんだっけ?」
「……」
とさりげなく尋ねるけれど英子は口をすべらせない。
「英子ちゃん細いよね。うらやましいなぁ」
「志村先輩だって細いじゃないですか」
「あたしはだめよ。最近肉が付いてきたから」
まきはシャワーで英子の石鹸の泡を流してやり二人で湯船に入るとざばーんと盛大にお湯があふれた。
「お姉ちゃんみたいな人とお風呂に入るのってこれが生まれて初めてなんです」
「そうなの」
「だから今夜は志村先輩と赤松先輩が泊まりにきてくれてとてもうれしいです」
「そうかぁ、それぇ」
とまきは英子の顔にお湯をかけた。
「きゃっ」
と言って英子もそれに反撃する。しばらくの間風呂場から二人の楽しそうな声が響いていた。
「そろそろ出よっか」
「はい」
と二人が湯船で立ち上がるとお湯はほとんどなくなっていた。
「どうしよう。愛美の入る分がなくなっちゃった」
「お湯を入れておきましょう」
と英子はお湯の蛇口をひねった。
楽しそうに風呂から上がってきた二人と入れ違いに愛美は風呂に入った。二人の楽しげな様子は二階の英子の部屋にまで伝わってきた。しばらくして愛美が風呂から戻ってくると英子ははしゃぎ疲れてベッドに大の字になってすやすやと寝ていた。まきは「しーっ」と愛美に合図すると小声で
「今日はあたしたち二人が泊まりにきたのがよっぽどうれしかったのね。風呂から上がるとすぐに寝ちゃったわ」
「今夜は泊まりにきてよかったですね」
「時折愛美は泊まりに来てあげてね」
「はい、わかりました」
と言って1時近くになったので愛美は英子の部屋の電気を消して布団に入った。