小説の部屋


2005/8/7 脱稿    

古墳少女 佑奈3

   

その1

この小説を読む前に前作 古墳少女佑奈古墳少女佑奈2をまず読むと世界観がよくわかります。

プロローグ

 海老名市立大塚中学校2年生の上月佑奈は去年中学校の近くにある古墳の石室に入ったときに偶然手に入れた魔力を秘めた勾玉で作った腕輪を持っていた。その力を軍事利用しようとしたCIAに恥ずかしい写真を撮られて脅された佑奈は「アメリカ政府の交換留学生」というふれこみで約半年の間アメリカの軍事施設に監禁されスパイ活動や格闘術のすべてをたたきこまれた。報道はされないけれどX国の軍事クーデターを鎮圧したのも佑奈の力である。
 最後の1ヶ月だけアリバイ作りにカルフォルニア州にある町にホームステイしてジュニアハイスクールに通い、大塚中学校の吹奏楽部に入っている佑奈はその学校のブラスバンドでクラリネットを吹くとともに米軍音楽隊の首席奏者からクラリネットの個人レッスンまで受けさせてもらい、ディズニーランドやユニバーサルスタジオ、大リーグの試合で松井やイチローを見るなど楽しいスクールライフを味わわせてもらった。

第1章 佑奈の帰国

 11月1日。約半年ぶりに海老名市立大塚中学校2年2組の教室に上月佑奈が帰ってきた。それに気付いたクラスメイトたちが
「あっ、佑奈お帰り〜」
「アメリカどうだった?」
「写真見せてよ」
「アメリカ人の彼氏できた?!」
「どんなものを向こうでは食べてたの? 毎日ステーキとか?」
「ディズニーランド行った?」
「松井見た?」
「ユニバーサルスタジオは行った?」
「大リーグの試合でイチローを見た?」
などやいのやいのと佑奈を質問責めにした。同じクラスで吹奏楽部の親友の泉崎礼香が近付いてきて
「佑奈、無事帰国できてよかったね」
「うん、ありがとう」
と二人にしか分からない会話を交わす。佑奈と交換で大塚中学校に来ていた留学生のキャサリンは3日前に帰国していた。礼香がキャサリンに目を光らせていたから佑奈の彼氏である古谷はキャサリンに骨抜きにされず佑奈の帰国を待っていた。
 佑奈は2年1組に行く。吹奏楽部の親友である高田瑞穂が気付き
「わ〜佑奈ぁ、きゃ〜」
と佑奈と抱き合いぴょんぴょん跳ねて再会を喜ぶ。
「佑奈アメリカどうだった?ディズニーランド行った?」
「行ったよぉ」
「わー、いーなー。あたし東京ディズニーランドすら行ったことない」
「これおみやげね」
佑奈が瑞穂に小さな包みを手渡す。中身はミニーマウスのボールペンでもらった瑞穂は早速包みを開けて
「きゃー、これかわいーっ」
と大喜びしていた。佑奈はこのボールペンを自分のクラスである2年2組全員に配っていた。
「松井見た? イチローは?」
「両方とも球場で見たよ」
「いーなー、生松井と生イチロー見たんだぁ。あたしも見た〜い」
「瑞穂も観光でアメリカに行くといいよ」
「だめよ。まったく英語しゃべれないしー」
「あたしだって向こうに行って初めて英語覚えたって感じだもん」
「そーなの? だって佑奈はアメリカ政府に選ばれたんでしょ?」
「英語で書いた地図を一枚持たされて夜の森を一人で歩いたりして必死で覚えたんだから」
「何それ?」
米軍の行軍訓練のことは話せないので佑奈はそれ以上語らない。
「ごめんね、古谷君とちょっと話したいから」
「そーでした。あたしなんてついでだもんね。どーぞ古谷君と心行くまでおしゃべりしてちょうだい」
と妙な気を利かせた瑞穂は佑奈を解放した。
 佑奈は古谷の席へ行く。
「あの古谷君、ただいま」
「佑奈お帰り」
「ただいま」
「しばらく見ないうちに佑奈大人っぽくなったんじゃないの」
「えっ、そんなことないよ。あのっ、これおみやげ」
「ありがとう」
と佑奈は古谷にドナルドダックの写真立てを渡した。話したいことはたくさんあったけど2年1組のみんながにやにやしながら二人を見ているので佑奈はそれ以上話せなかった。

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古墳少女佑奈古墳少女佑奈2をまず読むと世界観がよくわかります。

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