小説の部屋


2006/9/21 脱稿    

古墳少女 佑奈4 -佑奈お姉様-

   

その12

この小説を読む前に前作 古墳少女佑奈をまず読むと世界観がよくわかります。
そのあとは古墳少女佑奈3を読もう。古墳少女佑奈3の直後のエピソードなのでより深く楽しめます。

第12章 忍び寄る影

 Φ国の情報員が海老名市大塚町に潜入し古墳少女拉致のために大塚中学校の上月佑奈の周辺を人知れず嗅ぎ回っていた。佑奈の行動パターンや交遊関係、行動範囲などを尾行や張り込みをして調べ写真に撮っていた。また神奈川県海老名市大塚町周辺の地理や風土、風習、交通機関などについて綿密な調査がなされていた。留守中に上月家に侵入して佑奈の部屋を中心に家探しして本人に気付かれぬようきちんと元通りにもどして去っていた。もっとも女子中学生の部屋を捜索したところで大したものは出ないのだが。佑奈はCIAのエージェントであるが最近長谷川茜がしつこくつきまとうのに辟易し注意が散漫になっていたため Φ国の情報員の存在にまったく気付いていなかった。勘の鋭い泉崎礼香でさえもプロの情報員の仕事には無力だった。

 ある日の下校途中、佑奈が泉崎礼香と高田瑞穂と別れ一人で自宅に向かっている途中で白いブラウスの上に灰色のセーターを着て真っ赤なリボンをゆるくつけ膝上10cmに短く切った紺のプリーツスカート、紺ハイソックス、黒ローファーのどこにでもいそうな茶髪の女子高生に声を掛けられた。
「あのう、上月さん」
「はい?」
「カンパニーからの伝言です」
カンパニーと言われて佑奈ははっとした。カンパニーといっても女子中学生の佑奈がどこかの会社でOLをしている訳ではない。CIAをさす暗号である。カンパニーということはこの女子高生もCIAのエージェントということか。
「『 Φ国の同業者が大塚町に出店予定です。気をつけられよ』とのことです」
「えっ? えっ?」
佑奈が飲み込めないのにかまわずその女子高生は
「それじゃあ佑奈ちゃん、またねぇ」
とお友達のように親しげな口調で去っていった。これなら Φ国の情報員が見張っていてもお友達の女子高生と佑奈がおしゃべりしていたようにしか見えない。どこにでもいそうな茶髪の女子高生だから Φ国の情報員がこの子を見つけ出そうとしても同じような格好の女子高生は神奈川県だけでも何千人といるので不可能だろう。一人その場に残された佑奈は考える。もしかして Φ国の同業者って1年生の長谷川茜ではないだろうか? ただの中学生と思っていたけどもしかして…と考えると茜の行動のすべてが怪しく見えてくる。やたらとなれなれしく佑奈につきまとってくるし、偽の勾玉の腕輪を自作するなど茜は佑奈の腕輪への関心が強い。茜の目的は佑奈の腕輪の奪取か?! そういや先日も何者かに殺気むき出しで後をつけられたっけ。これもあの長谷川って1年生の仕業に違いない(佑奈の勘は間違ってはいないが動機は全然違う)。長谷川茜は2学期から海老名市立大塚中学校に転入してきたという。佑奈がアメリカ留学から帰るのを待って行動を起こすため大塚中学校に前もって潜入していたのか?!とも考えられる。一体茜は Φ国とどうゆう関係なのか? まさか Φ国人ではあるまい。長谷川茜という名前も本名なのだろうか?  Φ国の情報員なら戸籍や住民票くらい簡単に偽造できるだろう。もしかしたら大塚中学校に偽の長谷川茜を潜入させるためにどこかの中学校に通っていた本物の長谷川茜が消されたのかもしれない。家族もろとも消してしまえばすぐには発覚しまい。いま大塚中学校にいる長谷川茜という少女の中学1年生とは思えない上品すぎる物腰も不自然だ。自分を佑奈に印象づけるためのものとしか思えない。無邪気に「佑奈お姉様」とつきまとってくる茜が Φ国の情報員だったなんて、佑奈は愕然とした。今度茜が現れたらその辺締め上げて白状させようと佑奈は思った。

その13へ

古墳少女佑奈をまず読むと世界観がよくわかります。

タリカス文芸部へ
小説の部屋へ
江東の詩へ
江戸川の詩へ
東松山の詩へ
座間の詩へ
その他の詩へ
掲示板に感想を書く
トップページへ

2002年吹奏楽部鑑賞レポートページへ
2003年吹奏楽部鑑賞レポートページへ
2004年吹奏楽部鑑賞レポートページへ
2005年吹奏楽部鑑賞レポートページへ
2006年吹奏楽部鑑賞レポートページへ
2007年吹奏楽部鑑賞レポートページへ


[PR]ベビー用品はたまひよ♪:子育てが楽しくなる便利アイテムいっぱい