2日目 5月5日(日曜日)
浜通り地方林道走行→帰宅
昨日の天気が嘘のような天候に恵まれた。
それにしても、疲れていたのかすっかり寝坊したのは不覚だった。まだ寝足りない感覚もある
が、このまま寝てたら昼になってしまう。とにかく出発する。

昨日とうってかわって、青空の広がる天気
しかも暑い まるで夏のようだ
さっさと林道探索に入ろうと思っていたのだが、せっかくここまできて林道だけというのも、な
んだか味気ない。で、比較的気合いを入れなくでも見られそうな観光地として、あぶくま洞を選
んで立ち寄ってみた。
あぶくま洞は、阿武隈高地最大の鍾乳洞で、結構知名度の高い観光地だ。ゴールデンウイ
ークと言うことで、予想以上の人出があり、なんと鍾乳洞内で観光客が列を作って渋滞になっ
ている有様。しかし鍾乳石の数々は、なかなか見事なものであった。
 
あぶくま洞の内部は見事 ライトアップも効果的で、天然の芸術を堪能できる
ちょっぴり観光もしたので、本来の林道巡りに戻る。
まずはあぶくま洞のある滝野町に入口がある子安川林道へ。
入口から間もなく、白い路面のダートになる。ツーリングマップルや林道ガイドなどでもおなじ
みのこの白い路面、この地区で取れる白い砕石を敷き詰めてあるため。夏の快晴の時などは
さぞまぶしいと思う。

白い路面が眩しい子安川林道
白い路面は数キロ走った採石場付近で終わる。その先は途中路面の悪い険しいところもあ
ったが、後半は長いストレートなどもあるフラットな路面で走りやすい。
続けて赤原遠山林道へ。田んぼの中の集落から入ると、いきなりうっそうとした林道が待って
いた。アップダウンはさほどないが、全線に渡って眺望は開けない。すれ違う車も皆無だが、
古いながらもカーブの標識などがしっかり立っていて、過去は生活道路であったであろうことが
想像できる。

うっそうとした森の中を延々走る赤原遠山林道
少し国道を走り、続けて小田代林道へ。
ここは集落に抜けている関係で、対向車が結構多い。それも完全に生活道路化していて、普
通の乗用車が走っている。突然カーブの先から地元のおばさん運転の軽自動車がフラフラ出
てきたりするので、十分注意が必要。
道路に電柱があったりして、雰囲気にかける林道だったが、こんな状況だからやむを得な
い。
約3キロほどで集落に到着。ここからは乙次郎林道に入る予定である。だが小田代林道を道
なりに進むと舗装路になり、そのまま集落を抜けて進み続けると、どうも様子がおかしい。さっ
きの国道へ戻ってしまう、別な道に来てしまったようだ。
しばらく進路を迷ったが、やがて枝道を発見。
三叉路にいたオフロードライダーが、私と同じツーリングマップルを見ながら立っていたので
尋ねると、この道が乙次郎林道で間違いないようだ。
乙次郎林道は、スタートしてすぐに、崖に沿うような険しいコースとなった。ここはとても生活
道路の雰囲気ではない。いきなり山岳コースの様相だ。

山に沿って進む険しいルートもある乙次郎林道
少し進むと、森林の奥深くをうねうねと走るダートが続く。
すれ違う車もなく、寂しい山奥の道を進むが、数キロ行くと、この林道の名所にやってきた。
急に視界に飛び込んできたのは、深い山中にある篠平集落である。
 
林道の途中で突然現れる篠平集落 林道は民家の庭を通過している
細く長い林道の途中にあるこの篠平集落、集落といっても今は1軒の家が残っているだけ
だ。よくこんな山中にたった1軒で生活できるものだと感心してしまう。夜など怖くないのだろう
か。とりあえず電気と電話は通っているようであったが…。
なんと林道は、この一軒屋の母屋と納屋の間にある、小さな庭を抜けて続いている。庭を通
るといっても道路なのだから堂々と通っていいはずだが、道路といっても一応は家の庭なのだ
から、遠慮すべきものなのかもしれない。なんか困った場所である。
とりあえずほこりを立てたりして迷惑にならないよう、なおかつ視線など合ったりしないよう、
早からず遅からずの微妙なスピードを守って通過する。納屋のそばには人なつっこそうな犬が
1匹繋がれていて、初めてやってきたよそ者の私を、興味深そうに眺めていた。
再び寂しいダートを進む。しばらく行くと舗装路となり、また民家が見えてくる。乙次郎集落
だ。
ここは先程の篠平集落とは違い、何軒もの家が集まっている。遠くには人の姿も見え、また
中には集落の公民館か何かだろうか、平屋ながらコンクリート造りの建物もある。

舗装路とともに現れる乙次郎集落 一応街灯もある
乙次郎集落を通過すると、またもやダートが続く。急勾配や路面の荒れはさほどないが、見
通しの悪いカーブの道が、気が遠くなるほど長く続いている。10キロほど走り、ようやく県道に
到達した。
長いダート林道でしか外部と接点を持たない乙次郎集落、そこに暮らす人は大変だと思う
が、日本にもまだ秘境があることに感心してしまった。

県道35号線にある乙次郎林道出口
「乙次郎11q→」の標識が立つ
考えてみたら昼食がまだだった。
国道に出て、少し走ると「道の駅ならは」がある。ここ楢葉町は鮭が特産とのこと、何でも地
元木戸川は本州最大の鮭の捕獲高を誇る川らしい。さぞ旨い鮭料理でもあるのかと思いレス
トランに入ると、なぜか普通のサービスエリアのような無難なメニューばかりで、名物料理がな
い。小綺麗だが、妙に洗練されすぎているレストランで、もう少し郷土色が欲しい。とりあえず
「生姜焼定食」を注文し、満腹にはなった。
「道の駅ならは」を出発した時点で、すでに時刻は午後4時過ぎ。すぐ近くにある三森林道
は、渓谷沿いの美しいコースとのことでぜひ行きたかったが、荒れた路面もあるそうで、この時
間からの走行は少し心配。行きたい気持ちを抑えて、また次回のチャンスに回すことにした。
しかし高速を走って帰宅する気など、さらさらない。どうせ高速に乗ったって、ゴールデンウイ
ークの行楽帰りの車で渋滞だ。渋滞に乗るために、高い高速料金を払うのもくだらない。
だから地図を見て、下道で帰路の計画を立てる。渋滞しないコースで、なおかつ短距離で帰
るコースとして、いわき市方向へ国道6号を走り、そこから大子町→茂木→下館と、内陸部を
つなげていくルートに決定。
…すると、途中近くに林道があることに気づく。大した遠回りにはならない上に、道の荒れも
少ないらしい。せっかく林道探検にきたのだから、このまますんなり帰るのももったいない。とい
うことで、無茶を承知で夕闇迫る中、もう一つ林道を走っておくことにした。
いわき市の南にある、横川目兼林道の入口に着いたのは、午後5時50分。もう日が暮れか
かっている。急がないと、またナイトランになってしまう。

横川目兼林道入口 もう日が暮れかかっているのに、
無謀にも突入
路面は決して走りにくいと言うわけではないのだが、とにかく鬱蒼とした森の中を抜けていく
ので、真っ暗な中を走るところが多い。もうすぐほんとの闇に包まれる時間でもあり、少々焦
る。
しばらく走り続けると、やがて森を抜け、ぽっかりと広場のようなスペースに出た。ちょうど十
字路のような分岐があって、前方と左右の3方向に道路が延びている。左は橋があって、そこ
で進めないようだが、前方と右はどちらも先がありそうである。うーん、悩む。
ここで道を誤ると、間違いなく夜の林道を走ることになる。カーナビには右に行く道が出てい
るので、そっちに進みたくなったが、冷静にもう一度カーナビ画面を見て分析すると、この道は
目的とは違う方向に進む気配。このまま直進することに決める。
この判断は正しく、、間もなく弥太郎林道の分岐にさしかかった。ここからは予定通り弥太郎
林道に入っていく。
さっきから道路脇には入山禁止の看板が目立つ。山菜取りに来る他県の人間が、私有地で
あるこの界隈の山々に入り込むのであろう。都会の人間からすれば、国有であれ私有であ
れ、山に入って山菜に取ることに悪意はないのかもしれないが、所有者にとってはたまったも
のではないはずだ。
さっきからカーナビの画面上には、出口のある県道が近くに見え始めてはいるが、なかなか
合流することができない。周囲はもう夜である。少々焦った。
しかし間もなく、林道は急に左にカーブすると、突然舗装路に出た。無事脱出である。

ようやく弥太郎林道脱出 周囲は既に暗闇
いくらテラノと一緒とはいえ、少し怖かった
ここからは、内陸部の空いているコースを通って帰路につく。
東北道沿いの国道4号と、常磐道沿いの国道6号は、間違いなく渋滞しているだろう。そこで
塙町から国道349号で矢祭町、国道118号で大子町、国道461号で馬頭町、国道294号で
下館市、県道で埼玉県杉戸町、国道4号で都内というコースで帰ってきた。予定通り渋滞は皆
無で快調にとばし、都内までは茨城から3時間強といったところ。
高速料金も取られずに渋滞にもはまらない。満足なコース選択だった。
帰宅したのは、日が変わって5月6日の深夜1時。
夜逃げのようにこっそり出ていったが、またこうやって夜中にこそこそ帰ってくると、夜逃げで
なく単なる不審者ですな。元々近所の理解など必要としないので、これでいいのである。
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