12月03日
(孤独な、砂時計)のつぶやき 土日の休みに海辺の村ムイネーまで行ってきた。 ここにはベトナムで唯一でっかい砂丘があるので有名。 砂丘に立って「おお確かに砂丘だ」と思った。
テキトーにその辺に座っていると、地元のガキが寄って来た。 「10日前に4人の日本人がここに来て一人の女の人が裸になった。 それを大きなカメラで写真に撮っていた」とガキはコーフンして言う。 「その人は美人だったか?」 「とても美人だった!」
「全部脱いだのか?」 「脱いだ!みんな脱いだ!!」
ヌードモデルの撮影だろう。 どこかの雑誌か本で「ベトナム砂丘ヌード」が出たら誰か教えて。



12月05日
(孤独な、ぷかぷか)のつぶやき 海辺の村ムイネーの浜に行くと小さなザル船があちらこちらで ぷっかぷっか波間に漂っている。
ザルなのに浸水して沈まないのはザルの目にやわらかい樹脂 のようなものを満遍なく塗りこんであるから。 試しに乗ってみたら意外とバランスがよく安定している。 僕の真の生まれ故郷の佐渡島にはたらい舟というものがある。 ベトナムがザルの船で日本はたらいの船。
選んだ素材は違うけど発想が似ていて面白い。 佐渡の人間とムイネーの人間は頭の回路も似ているのだろう。 そういえば佐渡はカニがうまい。ムイネーもカニがうまい。
人間はカニを食うと幸せなので、僕もこれからなるべく どんどんカニを食って幸せになろうと思う。



12月06日
(孤独な、ヤンキー座り)のつぶやき
若い頃は本当にあきれるくらいよく寝たもの。 48時間耐久マラソン睡眠などはいつものこと。 しかし、たまに旅行に行くとなぜかたいてい朝早く起きる。 朝寝坊の帝王と言われた自分が日の出と同時にうろうろ 砂浜などを歩いている。
無理に目覚ましでたたき起こされると死にたくなるが、 自然に起きるのは気分がいい。 しかも朝っぱらからビール片手にうろうろするので更に幸せ。 浜では漁を終えたばかりのおばはん、おじさん、ガキ、犬、 などが帰り支度を始めている。
カニあるかなと思って網の中を覗いてみた。




12月09日
(孤独な、醤油かけ過ぎ)のつぶやき
早起きして海辺に出る。 漁を終えた漁師の網の中を覗く。
「カニ食いてえな」と思うがカニは居ない。 代わりにでかいクラゲが居た。 クラゲは売り物になら無いようでそのまま捨ててある。 「こいつをクラゲ酢にしたら食いきれないな」と思う。
しかし、食えるクラゲかどうか分からない。 クラゲってみんな食えるのかな。 マンボウはクラゲを食べるが、選んで食べるてるほど 賢くはないだろう。
きっと食えるに違いない。 でも、間違って食った瞬間にのた打ち回るのは嫌なので 今回はクラゲ酢をやめておいた。




12月10日
(孤独な、ちょっと待て)のつぶやき
初めて生きているイカと言う物を見た。 今漁師の網からあがったばかりのイカは朝日を受けて ぴかぴかに透き通っていた。
思わず「今日の朝飯はこれだ!」と思いつき、 早速漁師のオバはんに「これみんな売ってくれい!」 と声をかける。 血迷っていたので値段交渉もせずにおばはんの言い値で 買った。
相場よりだいぶ高かったようでおばはんの右頬に 抑えてもこみ上げてくる笑みが浮かぶ。 こっちは新鮮なイカが食えてハッピー。
おばはんは高く売れてハッピー。 お互いハッピーで皆幸せなのはいいことだ。



12月11日
(孤独な、車は急に止れない)のつぶやき
早朝、浜に出ると何組もの漁師が漁をしている。 使う網にも大小があって、小規模の漁師は木の棒に 巻きつけて持ち運べるくらいの小さな網を使う。
網が小さいと取れる獲物もやはり少ない。 ある漁師の一家の獲物を見ると小さなビニール籠の底に 少したまるくらいのわずかな量。
こんなものでは一日の食事分にもならないだろう。 もちろんこれだけが1日の全ての収入ではないだろうが、 楽に暮らしているような実入りがない事は容易に覗える。
それでもこの人たちはこうして日々の暮らしを送るのだろう。 父、母、子供、犬、と、一つの家族が寄り添うように 助け合って働く様を見ていると、これが家族と言うものの 原点なのだろうなあとおぼろげに感じさせられた。 



12月18日
(孤独な、先祖がえり)のつぶやき
本屋で買い物をしていたらおもちゃのラジコンが目にとまった。 なぜ本屋にラジコンが売ってるかと言うとうまく説明できないが とにかくベトナムの本屋はそういうことになっている。
中国製で値段も思ったより安い。 ついむらむらとラジコン魂がよみがえり、買ってしまった。 公園に持っていって走らせると四方から暇ながガキどもが わらわらとよってくる。
中でも小さいガキはラジコンがなんだか分からなくて 走らせるとびびって逃げ始める。
「なかなかよく走るな」と満足していたが 途中で後ろのタイヤが一つポロリと取れてしまった。 それでガキどもに「終わり」と言って帰った。


12月20日
(孤独な、無駄!無駄!無駄ー!)のつぶやき
スーパーでおもちゃメーカーがイベントをやっていた。 子供に人間すごろくをやらせてプレゼントをあげるもの。
それをはたで見ていたスーパーの女店員達が 「大人も参加していいの!?」きく。 係りのお兄ちゃんは 「もちろん大人でもいいよー。ほらこっち来て」 と女店員さんたちをすごろくの上に呼ぶ。 さいころを一つ転がすたびに周りが囃し立てる。
女店員さんたちも少し恥ずかしがりながらげらげら笑う。 みんなのりが良すぎるくらいで本当に楽しそう。 それで見てるこっちもなにやらうきうきと楽しくなった。



12月23日
(孤独な、うっぷん晴らし)のつぶやき
クリスマス前になるとベトナムの街角のあちこちに サンタクロースが出現する。
ベトナムのサンタクロースは暑さのせいなのかやせている。 そして、スクーターに2ケツして街を行く。
おとといの夜はサンタが運転するバイクの後ろに、 きれいな女性の天使が羽をひらひらさせて乗っていた。
サンタは一人孤独な偏屈ジジイかと思ってたが、 どうやらそうでもないらしい いいなサンタ。
僕もジジイになったらサンタみたいにしよう。



12月24日
(孤独な、どーせ俺なんか)のつぶやき
クリスマスが近づくとホーチミン市のお店や路上の あちこちでクリスマスカードが売られ始める。
聖母マリア教会の側の歩道にはクリスマスカード売りの 屋台が連なり、たくさんの人が買いに来る。 ホーチミンにクリスチャンは多いけど、ほとんどの人は 宗教と関係なくクリスマスを楽しむ。
今いる職場の女の子達もクリスマスが近づくとそわそわ。 皆、恋人とどこかに出かける計画を立てている。
「クリスマスには仕事が休みにならないのかしら?」 とふざけたことを言っているので心の中で、 「そんなわけねーだろー!」突っ込みを入れる。 しかし、「よし、明日は午前中で仕事終わり!」 との社長の一声。 うーむ、さすがベトナム。気がきいてますな。


12月25日
(孤独な、眠り虫)のつぶやき
クリスマスにはサンタ帽が大人気。 道ばたで売ってるのを買い、その場でかぶる。 カップルもおそろいで仲良くてかわいらしい。
カフェのウエイターさんもまじめな顔をしてサンタ帽姿で 注文を取っている。 そういえば去年のクリスマスは僕もあの帽子を頭に働いたもの。 たった1年前のことなのに懐かしい。
道の脇に口ひげでやさぐれヤクザのようなオヤジがいて、 苦虫を噛み潰したような渋い表情でタバコを吸っている。 でも頭にはお決まりでちょこんと赤いサンタの帽子。
「一体何があんたをそーさせた」 と思わず問うてみたくなった。



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