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台風は怖かった。。 まるちゃんと行く南アルプス山小屋釣行 2002,07,9〜10
 新緑の森
森の緑が目に滲みる

プロローグ
  ほぼ2週間。毎日仕事で午前様が続き、後半一週間は千葉県某所で夜を明かし、ようやく一段落が着きました。前回の釣行から3週間ほど経過し、すでに体は完全な渓ギレです。また、運動不足でナマクラにもなっていて、体力低下の危険度もあがっていました。しかしながら、今週は、たまりまくった休日出勤の振り替えを利用して、釣行できるのです。以前から、是非一度行きましょう、とお誘いくださった、「渓歩きのページ tekuteku」の管理者、静岡のまるちゃんと、いよいよ彼のホームの南アルプスにご一緒できるのです。なんとも楽しみで、しかも平日釣行ともなれば、人気のコースも2人締めかな、などと期待しての道の駅川根温泉での待ち合わせとなりました。このとき、沖縄の東南沖に大型で非常に強い勢いの台風様がいらっしゃっていることは存じ上げていたのですが、そのときは特に気にしていなかったのでした・・・・

楽園への入り口
  道の駅を出発し、車止めに到着したのが午前三時くらいだったでしょうか・・・
 橋の崩落により通行止めになっていて、そこからテクテクと林道歩きです。1時間ほど歩いたところに、本来の車止めがありまして、そこまで車で行ければずいぶんと楽なのですが、こればっかりはしょうがない。何しろ道が落ちちゃっているわけですから。その橋も、山開きに間に合うように急ピッチで仮設橋の取り付けが進んでいましたが、今回はプラス1時間の歩きとなりました。さて、トールで林道2時間ほど歩くと、大きな吊り橋に出会います。ここからが本格的な登山道。ぐらぐら揺れる吊り橋に多少ビビリながら、ようやく変化のある登山道に入って、楽しさも増してきます。最初の登りは、誰がつけたか「ヤレヤレ峠」。山小屋泊とはいえ一通りの荷物をしょっての峠道は、ピークにつくと思わず自然と「ヤレヤレ」とぼやいてしまいます。

吊り橋を渡り、登山道へと進む。 吊り橋


ヤレヤレ峠 ふー。やれやれ。


 峠を越えて降っていくと、だんだんと沢音が大きくなってきます。これはいつ聞いてもいいもので、だんだんと近づいてくる渓流が「おいでおいで」と囁いているように聞こえるのは私だけでしょうか??
 肩に食い込むザックの重さに嫌気がさしながら、渓の音がそんな風に聞こえてしまう自分の病気の重さに暗い失笑を噛み殺しつつ、それでも素晴らしい渓谷の景色に見とれながらの山歩きは多分当分はやめられないのだ、とみずからひそかにあきらめているのです。


美しい南アルプスの水が流れる
美しい渓谷。
ちなみにこれは平水時。
渓谷


3週間ぶりだね、ヤマトちゃん
 谷間を縫うように続く登山道、峠と吊り橋をいくつ過ぎたでしょうか・・・。大吊り橋から一時間ほどのところに、山小屋が一軒ありまして、そこで大休止。夕べ寝ていなかった私は、不覚にもここで眠ってしまいまして、まるちゃんにかなりの休憩をご提供し、さらにそこから二時間半かけて、最終目的の沢にある小屋に到着。河原で定番「沢ソウメン」の昼食をすませ、さっそく沢筋を降って本流の出会いから釣り上がります。

渓の景色 渓谷


テンカラ テンカラをふるまるちゃん


  渓の気持ちの良い深緑の中、まるちゃんはテンカラ、私はエサで、思い思いに釣りを楽しみます。こんな山でも、結構人は入っているようで、魚がサッと走るのはたくさん見えるのですが、ハリがかりはなかなか渋い。しかし、何尾かは遊んでくれました。久しぶりのヤマトイワナです。

色の濃い、山の中のヤマトイワナ 7寸ヤマトちゃん


7寸ヤマトちゃん しっとりと美しい山の宝石


  さて、そろそろ暗くなってきました。暗くなったら呑んで寝るというのが渓遊びの基本。一人一尾づつキープしたイワナちゃんを持って、山小屋に戻りました。今回は小屋泊まりということで、ワタクシも初めてだったのですが、これがなかなか。カマドウマがちょっと多い以外は、大変快適でした。
 晩飯は、まるちゃんがわざわざ奥さんから作り方を聞いて持ってきてくれた、「ヅケダレ」に漬け込んだイワナの巻きずしです。さっそくご飯を炊き、寿司酢で仕込んでシャリにします。そこに、漬け込んだイワナ、刻んだオオバをこれまた持参の簀の子で巻いて、渓のイワナ巻きずしのできあがり。


ううーん、お見事 渓の巻きずし


そういえば台風なのね〜・・・
 楽しく豪華な小屋の宴会も、昼間の疲れからいつの間にか自然にお開きとあいなりまして、いつのもまにやらZZZZZ・・っと寝ちゃったのでしょう。ふと気づくと、小屋の屋根を轟々とたたく雨音で目が覚めました。時間は四時くらいだったでしょうか・・・「おや、ずいぶん降ってますねー。いやいや、小屋で良かった!!」などとのんきに朝寝をし、予定していた沢筋狙いもこれでは無理でしょう、と、ゆっくり朝飯を食うことにしました。帰りは豪雨の中の登山道歩きを強いられます。ガッツリ腹ごしらえを、ということで、まるちゃん特製オクララーメンを頂きました。これがまた旨くてスタミナばっちり付きそうなんですよ。
 


翌朝、全く別の表情を見せた
南アルプスの山肌
雨の朝


大増水 あれれ?
これはいけせんねぇ
(これは、最初から4番目の写真と同じ場所)


  小屋を出るときは「帰りは下の小屋の本流筋で淵でも狙いますか!」などとのんきにテクテク下山を開始しましたが、予想以上の降りにちょっと不安が出てきました。四時間ちょっとで車止めに到着すると、すでにタイヤのゴム部分が浸水しています。
 「これはちょっとやばいですネー。」それでも、「この下の温泉でひとっ風呂やりますか!!」などとのんきに車を出発しましたが・・・・
 ここからが、しびれる脱出行の始まりでした。


2人でリ●ビタンD状態
  最初にやってきた危機は、車止めから数キロ降った林道。右側から沢、左側は切り通しの崖という左カーブで、まさに「ナマ土石流」に遭遇。私たちよりも少し早く下山した、小屋で朝合流したおじさんのワンボックスカーが、土石の出っ張りに乗り上げ、まさにカメさん状態。まるちゃんと2人で車を飛び出し、その辺の流木を使って「ふぁいとぉぉぉぉーっ」「いっぱぁぁぁぁつ!!」で石と砂利を掘り、凸凹を均し、「おりゃぁぁぁっ」と押すも、車が重すぎ、結局アウト。我々は、まるちゃんの「スーパースペシャルスバル660」とスーパーテクニックでなんとかクリアし、おじさんを荷台に乗せてあげ、さにら同じような難関をいくつも乗り越えて行きました。おじさんを途中の民宿でおろしましたが、ワタクシたちはなにしろ街に帰らねばなりません。「ここはダメか!?」というところに何度か出くわしたり、道が半分以上アスファルトごと崩落しスーパースバル一台分の幅しかないところもなんとかクリアし、いよいよここを抜ければ静岡まで25km、という集落まで来ました。しかーーし!!

 青森第五連隊の神田大尉風に言うと、「天はわれわれを見放したぁぁぁぁ・・・」 まさにそんな感じでした。いままでは何とかなっていた土石流でしたが、ここのはチョットチガウヨー!! 一抱えもある大石と、どろどろの粘土が背丈くらい道をふさいじゃってます。集落の人が何人かやってきて、「あ。これはダメだね。重機出すのは、雨あがってからだねー。前も崩れたから、ここは。アブナイんだー。」ですと。なんともありがたいお言葉。
 時間は午後六時を回っています。「はぁ。。。歩きますか??」「そうっすねー。」と、2人で荷物をまとめて車を放棄し、とりあえず静岡方面に歩くことにしました。村人の話では、あと2〜3キロいけば、携帯電話が通じるとのこと(!!) 歩けるところまで歩いて、まるちゃんが奥方様にSOSを発信し、迎えに来てもらえることになり、何とか帰れることになったのでした。結局そこから2時間ほど豪雨の中を歩き、待ち合わせ場所に来ていただいて車に乗ったときには、御台風様は通り過ぎ、文字通りどこ吹く風。全く意地のお悪い六号様でした。


なにはともあれ・・・
 まるちゃんには最後まで大変お世話になりっぱなしでした。考えたら、全部運転のしっぱなして、ものすごく大変な思いだったでしょう、本当にいろいろありがとうございました。
 また、あの遅い時間にお迎えいただきました、奥様にも、くれぐれもよろしくお伝えください。
 今回は、初の小屋泊まりに始まって、いろいろ貴重な体験のできた釣行となりました。これを教訓に、より安全な釣行を心がけたいと思います。途中いろいろご心配を頂いたみなさま、お詫びとともに、御礼させていただきます。ありがとうございました!!






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