
![]() 渓の景色というのは人を"ニワカカメラマン"にする。 遠雷 すでに夜ではなく、かといって朝ではない。日本語では、こういう時を「未明」というらしいです。この、ニュース等でたまに聞く言葉が表す時間帯は、なぜか事件や事故のイメージが強いですね。大の男が4人して不安そうに天幕を待ち上げながら、ヘッドランプに集められたヤブ蚊の大群の餌食になっている姿は、その姿通り「もうお手上げ、スキにして。」という状態だし、それが「未明」という時間帯であるだけに、豪雨の中1時間たちっぱなし、当の本人たちの気分を一層不安で心細いものにしているわけです。 出発はいつもの「関所」 今回は、もうすっかり1000kmが普通になってしまった「神戸牛」ナベちゃん、今期初渓泊まりで、渓道楽ではたかさんと並んでそのウデを競い合う"フォトグラファー"中村さん、そして渓声会かいちょ、"渓歩き師"の荻野さんの4名での渓行きです。同日同方向に出撃される"伊豆仙人"コージさん、河内のシティボーイ・ウルワツさんチームと宇都宮の「関所」で合流し、東北道を北へ向けて出発です。福島山形の県境近く、これまたすっかりおなじみのラーメン屋さんでいつもの「前夜祭」を繰り広げ、2チームはそれぞれ目的の車止めへと向かったのでした。 車止めでは、宴会用食材を中心(?)に、装備のチェック。今回の目玉は、中村さん持参の「丸ごとメロン」です。「本当は小玉スイカにしたかった」というが、「重そうだからやめた」とのこと。中村さん、これも相当重そうですよ。
谷間の狭い空が白々と明け始め、林道はいつの間にか背丈以上の藪こぎに。地面にわずかに残る踏みあとを確認しながら歩くと、時々覆い被さる木々の枝に額をゴツンとたたかれます。たっぷり夜露に濡れた草木のおかげで、すでに全身びしょぬれ、こうなったら不思議とハラも決まってきて、もはや少々の不快感などどこかに飛んでいってしまう。時々現れるチョロ沢の滝で頭から水を被り、体をクールダウンしてはまた藪をこぐ、という渓歩き・山歩きのお手本のようなコースを充分楽しめるのです。
ようやくドロンドロンの藪こぎを抜け出し、水線通しの遡行が始まります。中村さんは、まるでどこかの「小●隊隊員」になってしまったかのように、小枝沢のチョロチョロ落ち口に目を輝かせ、そーっと仕掛けを流すと、イワナちゃんが躍り出てきました。「いるよいるよ〜♪」中村さん、今期初の本格的釣行での一投目イワナゲットに楽しそうです。
その後、テン場までの遡行釣り上がり2時間くらいで、ボチボチと釣れるのですが、なぜかヤマメちゃんばっかり。幅広のきれいな魚体なのですが、ここまで歩いてヤマメオンパレードに少々拍子抜けです。昨年6月に来たときには、良型イワナチャンばっかりだったらしいのですが・・・
テン場に到着し、とりあえずお昼の宴会です。すっかり定番のそうめん12タマをみんなでぺろりと平らげ、「行動酒」とかいってすっかりマッタリモード。 そうはいっても、まだ日は長い、そろそろツリにでもいきましょう、そうしようそうしよう。ザックを置いて身軽になったところで、みな思い思いのツリを楽しみます。
テン場の楽しみ さてさて、途中ワタクシがカメラを水没させてしまって、ここからあとは写真が無いのですが、夜の帳がおりる頃、相も変わらず呑むは食うはの大宴会。荻野さんは相変わらず、飲み助の肴を知り尽くしている。キノコのピリ辛炒め、芋がらの煮浸し。ワタシは一つ覚えの鳥の唐揚げ。中村さんは、こだわりの材料でカレーを作ってくれています。ナベちゃんのいつもながらの見事な「炊飯奉行」ぶりもきわだち、寿司のとき以上に気を使って米を炊きあげています。「むむ、やはりカレーライスはご飯が命」なのかな、などと呑んだ頭でボーッと考えたりしています。おっと、中村さんのカレーがあってこそデスよ、ほほほ。 明けてしまえば・・・ さて、その後は冒頭の「未明の大雷雨」となるわけですが、ヘッドランプが要らなくなる頃には雨のほとんど止み、一安心したのですが、テン場前の流れを見ると、やっぱり増水している。ここは川通しのテン場、増水したら、即停滞決定です。「あーあ。これで1日行方不明だな〜」などと言いながら、もうみんなで飲み始めてる。まったくもって、良い仲間たちですな。 結局、勤め人の集まり、そうはいっても実際にはシャレにならない。水が引き始め、かつ温泉とビールが恋しくなってきたのも手伝って、そそくさとテン場を引き払い、信じられないスピードで車止めに帰っていく4人のオトナコドモたちでありました。
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